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たまには自分語りでも。 ~文壇カフェ・たまご 第五話

      2015/02/02

第五話 たまには自分語りでも。

cafetama

こんにちはー! っと、貴方の方が先に席に着いているなんて、珍しいこともあるもんですね。
明日は雨でも降るかしら……何て冗談はさておき。
――私、実はちょっと考えてることがあるんですよ。聞いてくれます?

このお店に雑談ノートってあるでしょう。
そこにね、私のお友達であるきーろんこと黄月貴美さんがメッセージを残してくれてまして。
曰く、『徒川ニナのことをもっと知りたい』と。

そういえば私、貴方をはじめ色んな人と、ろくな自己紹介もせずに付き合ってたなぁと今更ながら気付いたんです。
だから今日は遅ればせながら、私が自分の何たるかを語る日ってことで、一つどうですか?

――マスター、これが見えます?
私がきーろんより譲り受けた、日本銀行発行の千円札、正真正銘の本物です!
いいですか? きーろんが、これで美味しいサンドイッチでも食べてって、そう言ってくれてるんですよ? この意味、わかりますよね?
……通常価格1296円のパストラミサンド、千円ポッキリでどうですか?!
ああ、怒らないでっ! ほら、私の話が面白かったらでいいから! ね、お願いしますよ!

……コホン。というわけで、今更ながらの自分語り、始めさせて頂きます。
つまらないと思ったら、どうかその瞬間に教えて下さい。
これでも貴方の判断にはちょっとばかり信頼をおいているので、それに従ってすぐさま軌道修正しますから。

――私は1987年、9月の生まれです。今年で28歳。所謂アラサーって奴ですね。
幼い頃は父の仕事の都合で何度か引っ越しをしたものですけれど、幼稚園の年中さんになった頃に今の住所に落ち着きました。それ以来、大きな転居は無いですね。

元々生真面目で、運動神経の鈍い愚鈍な子供でした。
運動の時間が何より嫌いでね。見た目はいつもぽっちゃりしてたなぁ。
そんな自分に自信が無くて、その反面なのか何なのか、読書や勉強に精を出してましたね。
毎年学級委員や児童会に立候補して、優等生であることがアイデンティティであるような、根暗で卑屈な子供でした。

あれっ? 引いてる?
駄目ですよ! これ位で音をあげたら。
私のこと、ただのポジティブ馬鹿だと思ってませんか? 実は意外とネガティブだし、苦労もしてるんです。
そういう所をアピールしてギャップ萌えを狙おうと……ゴホンゴホン! 何でもありません。

――さて。
私の半生で起きた一番大きな事件というと、それは高校生の時でしょうか。
地元じゃあ一番の進学校に入った私は、ある日突然学校に行けなくなってしまいました。
所謂不登校って奴ですね。
勿論親からは責められるし、何より自分で自分を責めますよね。
あの時は辛かったなぁ。死んじゃおうかと思った時もあったくらい。

だけどその時私の心を慰めてくれていたのは、『小説を書く』『文章と触れ合う』ことだったんです。
ネットの世界では、私を求めてくれている人がいた。
「連載の続き、楽しみにしてます」
「更新頑張って下さい」
そういうコメントがあったから、自分を保っていられたと言ってもいいくらいです。

やがて私は自分の意思で、単位制の高校へ転校するという決断を下しました。
「なんでもいいから高校を出て欲しい」と言っていた両親も承諾。弱ってへろんへろんになった私は、一年生の秋からその単位制高校に通うことになりました。

まぁ、とはいってもすぐに元気にはならないですからね。
紆余曲折があって……毎日学校に行けるようになるまで、二年ほどかかりましたね。
その間私が家でやっていることはといえば、自分の持っている二次創作小説サイトの更新(その時には弱小ジャンルながら、一日千ヒットくらいするようになっていました)、あとは現代詩に傾倒していましたから、『現代詩フォーラム』というサイトにも入り浸ったり……。
そう、もっぱら書いてました。
書き続けました。
昼夜逆転しても、ロクに陽にあたらないせいでもやしみたいに生っちろくなっても、書くことはやめなかったんです。

初めて自分の書いた小説が『本』という形になったのもこの頃でしたね。
二次創作の個人主催アンソロジーに読んで頂いて、初めて『原稿』というものを書きました。
製本された実物を手にした時の気持ちはもう、言葉では言い表せませんね。
初めて頂いた『原稿料』にも感動しました。

その頃からかな? 自分に少しずつ自信がついて、学校にも行けるようになった。
信頼のおける先生や、友達にも出会って……。
相変わらず人付き合いは苦手だったけど、終いには自分で立候補して卒業式の答辞を言うようになるんだから、人間って変わるものですよね。

私が過ごした計五年間の高校生活は、現在の執筆活動の礎になっていると思います。
何か劇的で具体的な変化が起こった訳じゃないけれど、少しずつ自分を好きになれた……それがちょうどハタチくらいの時のこと。

だから、今もし同じ思いをして苦しんでいる人がいるなら、ネットサーフィンでも何でもいいから好きなことして、ハタチまでは食らいついて欲しいなぁ。
それだけで何かが好転することだって、あるような気がするんですよね。

すみません。何だか長くなった上に、妙に辛気臭い話で。
もう! もっと早く「待った」をかけてくれたらよかったのに。
無理して聞いてなくてもいいんですよ?

――ってマスター、何ですかその、パストラミサンドならぬ、大量のパストラミ・パン添えみたいなものは?
え? サービス?
千円でいいって……本気ですか!? 私、残さず頂いちゃいますからね!?

意外だなぁ。マスターがこういう路線の話に弱いなんて。
……貴方はどうですか?
まぁ、私はどちらかというと、多分貴方の向こう側に居る『誰か』に聞いて欲しかったんだと思うんですけど。

このサンドイッチはきーろんから私への贈り物だから、それじゃあ今度は私から。
この千円で好きなものを注文して、それを食べている間は、私に貴方の身の上話を聞かせること。
悪い条件じゃないでしょう?
さぁ、そうと決まったら好きなメニューを選んで下さい!
ちょっと位ならマスターが、オマケしてくれるかもしれないですよ。

雑談ノート

「文壇カフェ・たまご」は小説家のたまごの憩いの場です。あなたの意見、感想、問題提起……勿論ただの世間話でも結構です。どうぞお気軽にメッセージを残していって下さい。すべてに目を通し、お返事させていただきます。徒川ニナ

※雑談ノートへは、下記のコメント欄から書き込みできます。

 - 文壇カフェ・たまご

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Comment

  1. こんばんは。
    クランチやTwitterでお世話になっている、みやの はるかです。

    読んでびっくりしたんですが…徒川さん、私より1歳下なんですね!
    そして、夫と同じ歳なんですね!
    文章の感じから、何となく同年代かなとは思ってましたが、ここまで歳が近いとは思いませんでした!
    ちなみに、私は1986年5月生まれの28歳です。

    「小説を書くこと」「文章に触れること」で心を慰めていた時期、私にもありました。
    私の場合は、中学時代ですね。
    3年間ずっといじめられてて、学校に行くのが嫌でたまらなかったので、相談室登校(保健室登校みたいなものです)をしたり、登校するフリをしてズル休みしたりしてました。
    その時の数少ない楽しみは、本を読むことと、相談室の掲示板に自分の小説やエッセイを貼ることでした。

    当時は文章も下手くそでしたし、話も破綻していたのですが、今より自由に書けていたなぁと思います。
    どうやったら、またそんな風に力を抜いて書けるようになるのか、未だに悩み中です…。

    ……はっ!
    注文もしてないのに、自分語りをしてしまいました…。
    今更ですが、ロイヤルミルクティーとチョコドーナツを1つ!

  2. 徒川ニナ より:

    みやのさん、いらっしゃいませ。
    何と! 同年代さんでしたか。
    私も何となく、同じくらいかなーと思っていたのですが、一個違いとは!
    ネット越しでも意外とわかるものですね。

    お辛いことを思い出させてしまったらすみません。
    私も保健室登校していた時期、ありましたねー。
    学校に近付くのも嫌で嫌でたまりませんでした。多かれ少なかれ、同じような思いをした人っているのではないかなと思います。
    掲示板に貼るのが楽しみで、というのにすごく共感しました。
    やっぱりどんな状況においても、人って誰かと繋がっていたいんですよね。
    そういう状況で何かしらの『繋がり』を作ることができた私達って、多分幸せだったんだと思います。
    当時はきっと何も縛られることなく書くことができていたんでしょうね。
    大人になってしまった今では、なかなか難しいことかもしれません。
    逆に当時には無かった技術が今では身についている、ということもあるかもしれませんが……。
    いいとこどりして、自由に、なおかつ持てる技術を使って書けたら言う事なしですね。

    マスター、みやのさんのロイヤルミルクティーとドーナツ、私につけておいてくださいね。
    とびっきり美味しい奴を頼みますよ!

  3.  親愛なるニナ様

     こんばんわ。ニナニナ。わたしのリクエストに答えてくださってありがとうございます。くすぐったいです。またひとつ、ニナさんのことが知れて、嬉しく思います。

     にわとりさん、わたしはツケなくていいですよ。ブレンドコーヒーをお願いします。
     1000円に値する素敵な自分語りをご披露頂き満腹です。
     そしてわたしは秘密主義(笑)いや、ただそんなにちゃんとお話出来ることもないのです。平凡すぎで。ちなみに、わたしも青春時代は友人たちと好きなキャラでニマニマそれなりのことを一通りしていました。薄い本、万歳☆
     おっと、これは雑談ノートに書くことじゃなかったですね。これ以上は一部の方々にわかる濃い話しになりますので控えます。

     小説家のたまごの皆さまにも共通しているかと推測しますが、書くこと読むことは「生きること」とイコールです。食べること寝ること働くことと同じ位置にあるんだと。
     誰に何を言われても、抑制しなくて良いと思うんです。
     もちろん、子供の時は「早く寝なさい、学校行きない、勉強しなさい、掃除しなさい」とか言われます。文句なしにこなしても、大人はいちゃもんつけてきます。ムカつくなぁと思っていましたけど、社会に出てからの方が理不尽なことばかり。親や先生や先輩の時みたいに言い返すことすら出来ないですよ。覚悟してください。
     その上「書くこと・読むこと」を抑制させられたら。。。自分を保っていられない!
     これがわたしの中身だと認識しております。

     創作活動することで、安定した日々を送れるのもニナさんをはじめ、みなさまのおかげです。ありがとうございます。
     では、わたしはこれにて。また雑談ノートにカキコさせて頂きます。
     ニナニナ、寒いからお体お気をつけて。あったかいのたくさん飲んで、食べて、ぎゅっぎゅっしてください。
     もうすぐ、バレンタインだわ。わたしは自分用のチョコを買いに行ってきます。
     カフェでも、特別メニューあるんですか? にわとりさん。

     黄月貴美(ki-ro)

  4. 徒川 ニナ より:

    親愛なるきーろんへ

    まずはきーろんの居ぬ間にたくさんたくさんきーろんのお話をしてしまったことをお許し下さい。もしかしたらくしゃみが止まらない時があったかもしれません。ごめんね。

    青春時代ににまにましてた所は一緒ですね。私も一緒に万歳三唱しておきます。
    こういうお話はまたこっそり、内輪でやりたいものですね。
    平凡だときーろんは言うけれど、それってもしかしたらすごく幸せなことなのではないかな、と思います。
    良き友がいて、楽しめる趣味があって……すっごく素敵ですね。そういうことを大切にしていくのが、生きるということなのではないかなぁって。
    ふふ。何だか話が壮大になっちゃいましたね。

    書くこと読むことを抑制されるほど辛いことって無いですよね。
    ライフワーク、という言葉がしっくりくると思います。
    社会人になるとそういう苦労はひとしおですよね。
    今は社会の輪から外れている身ですが、仕事をしていた時には身をもって感じました。社会って理不尽!
    でも、何とか時間をつくって、這いつくばって耐えるようにしてまで読み書きをするんだから、それが自分にとっての「生存条件」ではなくて、一体何なのか!
    そんなことを考えてしまいますね。

    最近とみに精神的に安定しているなぁということは、自分でも感じております。
    やっぱり仲間が居て、安心できる場所があってこそですね。こちらこそ有難うございます。
    きーろんもあったかくして下さいね。私は万年ノー降雪地帯だから安心だけど、みんなのことが心配です。

    あっ、にわとりさん! そうですよバレンタイン忘れてました!!
    何でもいいからすっごく美味しいチョコの類を要求しますよ!
    私と、それからお客さんにもね!

    徒川 ニナ

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