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オノマトペ・りずむ ~文壇カフェ・たまご 第六話

      2015/02/09

第六話 オノマトペ・りずむ

cafetama

こんにちは! お久しぶり、ってほどでもないですね。
寒い日が続いてますけど、風邪とかひいてないですか? 最近流行っているみたいだから、気をつけて下さいね。伝染されるのとか勘弁ですから……って、ウソウソ。ちゃんと心配してますって。

今日は作業をするつもりで来たから、あんまり貴方に構えないかもしれません。
それとも手伝ってくれます? この資料まとめるの。
あっ、その様子だと、興味が湧いてきたんでしょう。どうぞ、見てみて下さい。
私が1月24日に観劇した、『グスコーブドリの伝記』の資料です。

この資料を見て貰うにあたって、まずspacという団体は何なのかという所から説明させて頂きますね。
spacは静岡県舞台芸術センターの略称で、何と、日本で初めての公共文化事業集団なんだそうです。『静岡芸術劇場』等で定期的に公演を行っています。
私は元々演劇というものを見たことが無かったのですが、今回は原作が宮沢賢治さんの『グスコーブドリの伝記』だということと、脚本を担当されたのが私の敬愛する山崎ナオコーラさんだということで、初めてその世界に足を踏み入れてみました。

その結果ですか? ……見てわからないです?
もう、すごかった! 凄く良かったって意味ですよ。
だからその何が『凄かった』のか分析して、自分の為に資料として残しておこうと思ってるんですけど……これが難しくて。
だって情報量が多すぎるんですもん!
圧倒的な刺激の塊というか……ああ、そうやって書いておけばいいのか……成程……。

感想をまとめるって、意外と難しいですね。
貴方はいつもどうしてますか?
ふむふむ……『どこに一番感動したのか考えてみるといい』ですか……。

うーん。私、このspacによる『グスコーブドリの伝記』の中で特に注目すべきなのは、『オノマトペ』だと思うんです。これは、関係者の方もおっしゃってましたけど。
ちなみにオノマトペっていうのは、擬声語のこと。ガタンゴトンとか、パチパチとか、そういう擬音語と擬態語の総称ですね。
原作が書かれた段階で、オノマトペは文中の至る所に使われていました。
木を切る『ごしっごしっ』という音。
鳥の鳴く『ぽう、ぽう』という声。
これら全てが劇場では、役者さん達の声帯から発せられるんです。
更に言うと、劇中のBGMは全て生演奏! 木琴や鉄琴をはじめとする楽器達が奏でる圧倒的な音の奔流に呑み込まれて、私はすっかりその世界にはまり込んでしまいました。
そこで思ったのが、「あぁ、オノマトペも『音』の一つなんだな」ってことです。

さっき例に出した、木を切る『ごしっごしっ』という音。
これ、発音の仕方で『どんな木を切っているのか』が変わるんですよ。
音程によっても、変わると思います。更にそれが何人かの声でハーモニーを奏でた日には、更に大きな変化がおこりますよね。多分私が言いたいことって、そういうことなんです。
えーっと、ちょっと待って下さいね。今まとめます。

――中原中也さんの「サーカス」は、独特のオノマトペが印象的な作品ですよね。
『ゆあーんゆよーんゆやゆよん』は、サーカスのブランコが揺れる様子を表した言葉です。
でもこれって実は、読み方によって、ものっすごく速いブランコになったり、ゆ~ったりとしたブランコになったりするんです。不思議ですよね。

文字という情報だけでは、オノマトペをどんな風に発音するのか、イントネーションの端々まで定義づけることはできません。
だから、『オノマトペの響き自体がどんな印象を与えるか』も勿論重要ですけれど、その前後の部分でいかに読者や観客に『想像』させるか。
これが、作者が思っているのと同じトーンで、オノマトペを脳内再生してもらう為の鍵ではないかな、と思ったんです。

……あら? もしかしたら何だかいい感じにまとまりました?
ああっ! でも今までつらつらと喋っていた内容を思い出して文章に書きおこすなんて、できるでしょうか……。

おや? 何ですかその得意げな笑みは?
スマホのアプリで全部録音してある? ……な、何て用意周到な……!
くっ、これはもしかしてそのデータと引き換えに、私に何か奢らせようって魂胆ですか?
いいでしょう! 知識に勝る財宝は無し! 好きな物を何でも一つ頼んだらいいですよ。
あーあ、また貴方にご馳走する羽目になるとは。
最近財布の中身が寂しくなる一方ですよ。トホホ……。

雑談ノート

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Comment

  1. オノマトペ!
    わたしも大事にしているものです。会話の中でも多用するのでよく子どもっぽいと言われてしまいますが、実はとても奥が深いですよね。
    同じひとつのものを指すものでも、音が違ったりすると感じる雰囲気も違ってきますし。

    聴覚障害者はオノマトペをよく使うと言われますし、赤ちゃんも喋り始めはオノマトペがほとんどだそうです。ブーブーとか、ワンワンとか。
    「言葉」より単純で理解しやすく、みんなが共通の「音」に対するイメージを持っているからこそ、通じるものだと考えるとますます奥が深くて面白いですね。

  2. 徒川ニナ より:

    沙耶さん、いらっしゃいませ。
    オノマトペって大事ですよね。
    私も会話の端々やら、書いている小説の中やら、気付けば多用してしまうので、自制するのが大変な毎日……。
    1つのものを形容するオノマトペでも、人によって全然違うものになったりするのは面白いですよね。
    感覚というものの多様性を思い知らされます。

    なるほど、そうなんですか。
    博識でいらっしゃいますね。勉強になります。
    私は以前NHKか何かの番組で、問診に積極的にオノマトペを取り入れようとしれいているお医者さんの話を見ました。
    「お腹がキリキリ痛む」とかね。
    こういう可能性を模索していくのは楽しいものです。
    う~ん、日本語って奥深い!!

    赤ちゃんがブーブーとかワンワンとかいってるのもよく見ますね。
    誰にでも伝わりやすい表現を突き詰めていくと、やはりオノマトペは必須アイテムなのかもしれません。

    沙耶さんのおかげでまた一つ、オノマトペに対する見解を深めることができました!
    有難うございます。よかったらまたここで、一緒にゆったりまったりしましょうね。

    徒川 ニナ

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