小説家のたまご

未来の小説家=小説家のたまごを応援するサイトです。

*

たまごNo.004 汐月夜空 インタビュー後編

      2014/11/25

多くの小説家のたまごが抱える共通の悩みでもあり、仕事と執筆活動の両立に苦労されている汐月さん。一体どのようにして、自分の時間を確保しているのでしょうか。

たまごNo.004 汐月夜空 インタビュー後編

Q.小説の中の切ないストーリーは、ご自身の経験が元になっているのでしょうか?

その場合もありますし、そうではない場合もあります。割合としてはそうではない場合の方が多いです。出来るだけ現実で起きたことをそのままフィクションに落とし込むことはしないようにしています。事実は小説よりも奇なり。それをそのまま作品に持ってこれば面白いのはある意味当然です。しかし、それは小説ではなく自伝や随筆ですし、いつかはネタが尽きてしまいます。しかも題材とされた人から嫌われること請け合いなしです。

現実であった事実ではなく、現実で感じた自分の感情や疑問点を膨らまして物語を作ることが多いです。なので、テーマが与えられて書く短編小説の方が得意ですね。最近は投稿できていませんが、『短編小説・掌編小説などの小説投稿サイト「時空 モノガタリ」』さんのように、突拍子もないテーマが与えられているとインスピレーションが湧きます。『自分の中に無い』物語を書きたいときにお世話になることが多いです。

Q.最近あった、一番切ないエピソードがあれば教えて下さい。

それは現実のエピソードですか笑 そうですね。最近は失恋が多いです。私の人生は、好意を寄せていた等の細かいものまで含めると、両手両足の指で足りない数の失恋があるのですが、最近は好意を寄せる前ににべもなく振られることが多くなってきました。大いに切ないです。まあ、それだけ多方面に声をかけてるっていう時点で振られて当然だと自分でも分かってるのですが、何せ一人は寂しいものですから。誰か特別な人が出来るまでは失恋し続けることでしょう。

失恋に際して幸せだった思い出が呼び起こされるのも切ないです。ほんの少しドライブをすると、この道はあの時のとか、ここは前あの子と来たとか感じることが多く、お前は女々しいなって自分にげんこつして生きる毎日です。こんな風に日常に切なさが溢れているのも、自身の創作意欲と無縁ではないのでしょうね。

Q.聞いているだけで切なくなりますね(笑)ところで汐月さんは、学生時代は特に精力的に執筆されていたとのこと。就職して忙しくなり、思うように執筆の時間を作れなくなったと思うのですが、いかがでしたか?

まったくもってその通りですね。総執筆時間で比較すると多分3分の1も作れてないです。原因としては、仕事に慣れていないこと、残業などで疲労がたまること、休日は友人と遊ぶこと、などなどあるのですが。大学時代と変わったのは仕事関係だけなので、仕事に慣れて要領が掴めれば今よりは多く時間が取れると思います。翌日に疲れを残すと本職に影響を出してしまうため、夜更かし出来ないのが辛いです。休日にやれよ、っていう方も居ると思うのですが、就職一年目の今しか出来ない体験はしておきたいので、よき友人達に嫌われない限りは今しばらく今のままでいようと思います。

Q.仕事と執筆の両立はなかなか難しいですよね。対策というか、執筆時間を確保するために何か工夫していることがあれば教えて下さい。

本当に難しいです。今も模索中です笑 多分これから先も模索し続けると思います。対策とは違いますが、現状はむしろ書きたいとき以外は筆をおいている状態です。今しか出来ない経験を優先しています。それでも書きたい作品があるならば、それはどうしても書きたい作品のはずなので遠慮せずに書きますが。今は未来への投資期間だと考えています。

これから先、人との交流で感じる種々の感情や人生経験が無ければ書けない物語もあるでしょう。今のうちに仕事に慣れておかなければ肝心の時に小説に集中できない時もあることでしょう。やるからには仕事も小説も中途半端にはしたくないので、今は本業を優先している形ですね。なんだかいつまで経っても小説に戻りそうにない発言ですが、それで戻らないのであれば始めからそこまでの人間だったということで忘れていただいて結構です笑

Q.小説を書くにあたって、汐月さんが一番大切にしていることは何でしょうか?

自身の作品が誰かにとっての物語の続きであることです。一般の読者さんにおいても、書き出していないだけで内に自分だけの物語を持っているものだと思います。それはあくまで想像の域で、自分にとって都合のいい世界、夢、なのかもしれません。でも、私はそんな物語の続きを書きたいし読んでみたい。だから、物語の舞台はありふれたものでいい。もしも、世界が明日終わったら。もしも世界が氷の国だったら。もしも私にこんな力があったら。そんなありふれた『Ifの世界の誰か』の書き手でありたいです。

物語が誰かの想像の続きであれば、それは誰かの現実と地続きであり、私が望む『誰かにとっての現実の栞』となりやすいと思いますので。予定調和の物語でありながら、今まで誰も書いてこなかったような、ニッチを突いた書き手になれたら嬉しいですね。

Q.汐月さんは、小説家のたまごがよく利用している「小説家になろう」「エブリスタ」などには作品を投稿されていませんよね。何か理由があるのでしょうか?

2つとも、いずれ参加してみたい思いはあります。ですが、現状一つだけ気を付けている点は大きなコミュニティに属さないことです。大きなコミュニティに属した状態で自身の作品に感想を頂くと、『あ、返しにいかなきゃ』となってしまい、時間がいくらあっても足りないからです。ただでさえ時間が無いのに、あの人も気になる、この人も気になる、となっていては自分の作品に向き合う時間が無くなってしまいます。かといって、感想を頂いて放置するのは自らの精神に負荷を負うことになりますし、その場だけで返すのも不義理で嫌なので、それなら最初から参加しないようにしよう、と。

ブログのように主が自分だけで、周りに同じようなことをしている人が居ない環境がコメントを頂いた方の記事を見に行かなくても自分にダメージを負わないぎりぎりのラインなんですよね。簡単にまとめると、自分の精神が弱いのが原因というわけです。

Q.ブログをやっていて、よかったなと思うことはありますか?

新しくできた作品が一般の読者に対してどれだけ集客力があるのかが、『足跡』と『良いね』から分かって良いです。もちろん訪問者には関係ないアフィリエイトさんが多いので、あくまで目安として考えてますが、それでも反響が数日にわたって見れるというのはいいものです。

また、過去作品をブログに落とし込むのは、自身の作品を本棚に入れるイメージなのですが、読者がどれを読んだのかを把握できる機能を使って、それを使って読む気のなかった過去作をもう一度自分でも読み返すことが出来るのが魅力です。ああ、こんな話を書いてたんだなあ。今読み返しても面白いなあ、と一読者の気持ちで読めるのが幸せですね。掃除中に読みふけっちゃって本棚が全然整わない感じです笑

Q.今後の予定や、将来的に目指している目標などがあれば教えて下さい。

来年の電撃大賞には送りたいなあ、と今はあくまで願望ですが考えています。後はきっかりとした短編を書いて方々に送ろうと。今年は休憩の年となりましたので、少しずつ腰を据えて目標に臨んで行こうと思います。掲げている目標は『2020年までに兼業作家としてデビューする』です。栄えある30歳を迎えられるように、本業に小説にと頑張っていこうと思います。現実の名前でもペンネームでも誰かにとって一目置かれる存在になれたら嬉しいですね。

Q.最後に、読者のみなさまに一言お願いします。

小説も良いですが、現実も愛せた方があなたの『世界』は楽しく美しい。現実も良いかもしれないと思えるような作品作りをこれからも行っていきますので、よろしくお願いいたします。

インタビュー後記

汐月さんは、「刹那系切な作家として2020年デビュー」というご自身のスタンスと目標を明確に定め、公言されているところがすばらしいと思います。

ただ闇雲に書いているだけでは、いつまでたっても現状維持でいる可能性が高い。本気で小説家を目指すのであれば、具体的な目標を持つことが大切なのではないでしょうか。

また、「大きなコミュニティに属さない」というポリシーも面白いですよね。自分の時間を確保するためにコミュニケーションには時間を浪費しない、というやり方も、一つの有効な方法だと思います。

みなさんは、いかがでしたでしょうか?インタビューに関するご意見や感想があれば、お気軽にコメントください。

 - たまごにインタビュー

ad pc

ad pc

コメントはお気軽に^^

  関連記事

たまごNo.006 久里原和晃
たまごNo.006 久里原和晃 インタビュー前編

今回ご紹介する小説家のたまごは、久里原和晃(くりはらかずき)さんです。主にブログ …

たまごNo.003 ちまだり
たまごNo.003 ちまだり インタビュー前編

今回ご紹介する小説家のたまごは、ちまだりさんです。現在は小説家のたまごとして活動 …

たまごNo.006 久里原和晃
たまごNo.006 久里原和晃 インタビュー後編

久里原さんのブログの記事には、人を引きつける魅力がぎゅっと詰まっています。そこに …

たまごNo.002 徒川ニナ
たまごNo.002 徒川ニナ インタビュー前編

2人目の小説家のたまごは、徒川ニナ(あだがわにな)さんです。小説を執筆する一方で …

たまごNo.008 沢村基 インタビュー前編

今回ご紹介する小説家のたまごは、沢村基(さわむらもとい)さんです。エブリスタが主 …

たまごNo.011 はやぶさ インタビュー前編

今回ご紹介する小説家のたまごは、はやぶささんです。児童文学ファンタジー作家を目指 …

たまごNo.009 元谷はと インタビュー後編

統合失調症という病、そして小説が果たした役割とは。 たまごNo.009 元谷はと …

たまごNo.001 天川さく
たまごNo.001 天川さく インタビュー後編

中学2年生で突然執筆に目覚め、「作家になる」と決めた天川さん。時を経て、大きなタ …

たまごNo.003 ちまだり
たまごNo.003 ちまだり インタビュー後編

富士見ファンタジア長編小説大賞で佳作入選し、華々しいデビューを経験したちまだりさ …

たまごNo.010 黒沢有貴 インタビュー前編

今回ご紹介する小説家のたまごは、黒沢有貴(くろさわゆうき)さんです。小説家になろ …