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たまごNo.005 水岡きよみ インタビュー後編

      2014/11/12

女子高生のリアルを詩や小説のモチーフとしている水岡さん。小説と恋愛の関係、紙本と電子本に対する考え方についても、たっぷりお話いただきました。

たまごNo.005 水岡きよみ インタビュー後編

Q.恋愛小説として、実体験(又は妄想)を表現するのに、恥ずかしかったりといったことはありませんでしたか?

実体験に関しては、誰かに話したいけど事情があって知り合いには話せない、でも誰かに自分のことを知っていて欲しい、という想いから書くので、特に恥ずかしく感じたことはありません。読んでる人々がみんな、私の顔も本名もどんな人間なのかも知らない人なんだと思うと、むしろ解放感があって気が楽になります。顔色を伺う必要もないですし。

私の場合、妄想を素直に文にするほうが恥ずかしいです。リアルでもネットでも、そんなこと妄想して馬鹿じゃないの、と内心思われている気がして怖くて怖くて仕方ないのです。想像上の作品を書くときのほうが、顔色やひとの反応を気にしているような感覚です。妄想は自分の心のなかで楽しみたい、というのが正直なところで、どうしても作品にしたくなるまでは人に話すこともないですね。

Q.妄想の方が恥ずかしいというのは意外ですね。水岡さんにとって、小説と現実世界の恋愛は、どういう関係にあると思いますか?

多くの小説って、実体験よりはフィクションのほうが多いと思うのですが、そういった想像上の恋愛小説は、現実が辛くなったときに、励ましてもらったり共感したり、生きる希望のようなものを与えてくれるような隠れ家だと考えています。不倫ものなど、実際に自分が経験しているような恋愛とは遥か遠くの世界な話も多いので、現実逃避には最適だと思います。

Q.小説の内容とは直接関係がないですが(笑)水岡さんが考える、理想の恋愛像があれば教えて下さい。

そうですね、、
知り合いたて・好きになりたてのときはお互いを知るために、沢山自分の考えや人生観や色々語り合って仲を深めていくと思うのですが、次第に付き合いが長くなってお互いがわかるようになってきたら、特に会話を沢山しなくても一緒にいるだけで心なごむような、温かでのんびりした雰囲気ができてくるような恋愛が理想のひとつにあります。

あとは、現実にはなかなか難しいのでしょうが、歳を重ねて長く一緒にいても、愛情が冷めることなくいつまでも恋人のように仲良くできる男女、というのも憧れです。
長く連れ添ううちに漫才のようなやり取りしかしなくなる夫婦や、本当は好きじゃなかったけど仕方なく結婚してあげた、などと言い出すような人にはなりたくないです。私の親はそのような感じなのですが、そんなこと言うならなんで結婚したの、離婚でもすればいいじゃないと昔から思わずにいられないのです。実際はそこまでして別れたくないとか、子育ての関係で、とか他に相手がいないから、とか色々あるのでしょうけど(苦笑)

Q.話は変わりますが、水岡さんの世代では、ネット小説や電子書籍がわりと最初から当たり前のように存在していますよね。紙の本と電子本について、何か思うところや意見があれば教えてください。

最初からという訳でもないと思います。小学校高学年の頃に世の中に携帯小説が出てきて、やはり衝撃はありました。当時は携帯を持っていなかったから書籍化したものを読んでいましたが、幼かった自分には横並びの字や砕けた文体が読みやすく感じました。

でも、世の中にたくさんそういったものが出回るようになると意見も変わってきて、(名指しとなってしまいますが)例えば携帯小説が出始めの頃にとても反響が大きかった某作品なんかは、文体が砕けすぎてなくて、リアリティも誠実さもあり、素直に感動したのですが、後から後から出てくる新たな携帯小説作家の作品は、どうもそれの模倣というか、切なくて恋人が命を落とせばみんな感動するとでも思っているような、人の死をぬるく見ていて文学を小馬鹿にしているような、そんな中身のない作品ばかりで、それに気づいてからは自然と読まなくなりました。あれは活字が読みづらい読書初心者の小学生や、脳ミソが幼稚な人のための読み物かな、と個人的には思っています。

Q.冷静に分析されていますね、面白い意見だと思います。

ネット小説は、評価されるべき作品や本当に面白い作品が探せば沢山あるのに、それが埋もれてしまっているのが残念な印象です。『小説家になろう』に登録して、面白そうな作品ないかな、と探しているときにランキング上位を占めていたのが、文体もジャンルも内容も似たり寄ったりの作品ばかりで、早くも退会しようかと悩んでしまったことがありました。

ネット小説は、実力勝負というよりは、友達の多さや仲間との繋がりで評価を勝ち取っていくような所があるな、と最近よく感じています。本当に面白い作品がもっと地下から掘り上げられて発掘されるような何か仕組みがあったら良いのに、と思います。

Q.よくあるネット投票などもそうですが、確かに、ネット小説にもそういった面がありますよね。水岡さんは紙の本と電子書籍ではどちらが好きですか?

かさばらずに手軽に持ち歩けてどこでも読めるのが電子書籍の一番の魅力だとおもうのですが、私は、ページをめくるときの感触や、表紙の装丁のデザインや光沢などを気が済むまで楽しめるし、読み終わったあとも期限切れで消えてしまったりデータが飛んだりといったことがなくいつまでも取っておけるので、電子書籍より紙の本のほうが好きです。逆に、なぜ電子書籍がそんなに人気なのか私には理解し難いです。

電子版だと、これはネット小説にも言えることですが、パケット量やデータ量を気にするとなかなか長編の小説に手を出せなくて、どうしても短編や詩など気楽に読めるものばかり選んでしまいがちなのです。

夏目漱石の「こころ」を読んだときは、同じ話でも電子書籍で読んだら目が疲れたりつまらなく感じたりで二日で飽きてしまったのに、紙の本だと半年かかっても最後まで読み切ることができた、という経験もあります。

Q.これから紙の本は、どうなっていくと思いますか?

電子書籍に利便性を見いだす人がこの先増えていけば、紙の本の人気はどんどん減っていくのでしょうが、今の時代はまだ、紙の本の良さを知っている人や紙の本の方が好きな人も多いので、そうした人々がいる限りは紙の本が絶滅するようなことはないと思います。紙の本の需要が減るってことは、図書館や古本屋がことごとく姿を消していくということになるので、そうなればまず政府が黙っていないとも思うのです。流石にそこまで極端なことはないと思いますが、データ化のすべてが素晴らしいという訳でもないと私は考えております。

Q.今後の予定や、将来的に目指している目標などがあれば教えて下さい。

今後は、恋愛ものや実体験の話以外のジャンルにも挑戦していきたいです。また、あと3ヶ月で18歳になるのですが、できれば17歳でいるうちに官能小説を一本、書き上げてみたいです。投稿はできなくても、書くことは自由だと思うし、18歳以上が書くのとはまた作品の雰囲気も従来と違ってドロドロせずに爽やかに書けると思うのです。今は受験等で執筆がなかなか進まないですが、全部終わって来年の3月頃になったら、遅れを取り戻すつもりでガシガシ書きまくりたいなぁと思ってます。

将来的には、プロの作家として活動したいというのが正直なところですが、流石に作家だけで生活できるとは思っていないので、出版はしたいけれど、あくまで趣味的なスタンスで楽しく物書きができたらなと思います。また、臨床心理士になるという夢もあるので、レイチェル・カーソンじゃないけど作家やりながら本業も続けられたら素敵だなぁなんて思っていたりもします。

Q.17才で官能小説を書きたいというのもまた、面白い発想ですね。最後に、読者のみなさまに一言お願いします。

この度は、まだ文も考えも稚拙なガキんちょのマシンガントークさながらのインタビューを最後まで読んでいただきありがとうございます。まだまだ修行が足りない未熟者ですが、どうにかこうにか努力して参りますのでこれからも宜しくお願いします。はじめましての方は、これを機に仲良くなれたらなと思っております、もし宜しければTwitterや投稿サイトなどで絡んでいただけると幸いです。

インタビュー後記

水岡さんは、現役女子高生とは思えないくらい(失礼ですね)、しっかりしたビジョンと考え方をお持ちです。

世の中に流されることなく、客観的に物事を考察して自分の考えをもつことができる能力は、小説家のたまごにとってひとつの武器にもなりえますよね。水岡さんの将来が本当に楽しみです。

当サイトは、水岡さんのおっしゃる『本当に面白い作品がもっと地下から掘り上げられて発掘されるような何か仕組みがあったら良いのに』と同じような気持をもって始めたものです。

小説家のたまごのみなさんにとって、この場所が少しでもお役に立てられれば嬉しいですね。

みなさんは、いかがでしたでしょうか?インタビューに関するご意見や感想があれば、お気軽にコメントください。

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