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たまごNo.007 朧 月夜 インタビュー後編

   

読者のアクセス記録を見て、消沈することもあるという朧さん。定期連載を行うにあたって、どのようにして執筆へのモチベーションを保っているのでしょうか。

たまごNo.007 朧 月夜 インタビュー後編

Q.みなさんそうだとは思いますが、執筆には大変な労力と時間がかかりますよね。読者からのリアクションの数に対して、そういった労力は多いと感じますか?少ないと感じますか?

実は私は高校卒業と共に、どなたの目にも晒さない「独り楽しみ」な生活を送って参りました。自作を書いては独り読み返すという・・・とても根暗なイメージですが(笑)。20代の途中でスランプになり、毎晩読み返しては一行も書けない日々が、おそらく8年くらい続きました。

同情を引きそうなエピソードですが、実際にはリア充過ぎたのが原因でした(笑)。恋愛・仕事・国際交流・オセアニアとアジアを長期放浪、などなど。ですが30代の或る日突然、一行も書けなかった作品の終章が思いつき、あれよあれよと書けてしまったのですね。それが「小説家になろう」の1作目として掲載しました「Sapphire Lagoon」です。そしてそれを機に今に至るまで、とにかく書けております(おそらくリア充でなくなったのが原因です(苦笑))。

Q.面白いですね。でももしかすると、リア充と執筆量が反比例する方って、案外多いのかもしれません。そんな中、書くことが負担になることはありませんでしたか?

執筆に時間は掛かりますが、私にとって書くことは負担ではありません。上記に示した通り、「独り楽しみ」が大好きな自作好き好きバカ(笑)ですので、書いて読み返すのは至福の時間とも言えます。多少の産みの苦しみなる物はあるとは思いますが、労力と思ったことは一度もございません。「第一に読者様のことを考えるのが作家なのでは?」と思われましたら、「申し訳ございません~」と謝罪するのみですが、まずは筆者が一番のファンでありたい、と思っていらっしゃる物書き様は多いのではないでしょうか?

読者様の数はそれはもちろん多ければ多いほど有難いですが、まずは自分が如何に楽しんで書いて読んでいるか、其処が私の基本とも言えます。

Q.確かにどんな作品でも、自分が最初の読者であり最初のファンでもありますからね。それでも、執筆することが虚しくなったり、報われないと感じたりすることはありませんでしたか?

上記の通り最も楽しい時間でありますので、スランプを脱却してからは、私の辞書に「虚しい」という言葉は有り得ません。が、「報われない」というのは・・・うーん? 今はサイト公開にて人様に見て頂いている状態ですので、反応が悪ければ感じることもあるのかも知れませんね? 私は作品をほぼ完結させてから掲載しておりますので、連載作品の反応の善し悪しが、執筆に影響を与えることはないように思われます。

Q.読者からのリアクションが少なく挫折してしまったり、モチベーションが低くなってしまう方も少なく無いと思います。朧さんの場合は、執筆に対するモチベーションは、どうやって保っているのでしょうか?

悪く言えば「現実逃避」の場所ですので、モチベーションは求めずとも保たれます(苦笑)。時々なくなるモチベーションは、「執筆」ではなく「連載更新」ですね、反応の悪い時は「読んで貰えていないならば、連載する意味ないのでは?」とつい悲観的になりがちです。その割には更新を怠ったことは一度もありませんが(笑)。

Q.少し話題を変えて、朧さんは、小説家になろうやtwitterでの執筆仲間の作品は、どれくらい読まれていますか?

週に1~3回更新される作品を9作、月1~2回更新される作品を5作、最新話を追い掛けさせて頂いております。おそらく少ない方だと思いますが、朝はリクガメ3匹の世話・夜まで仕事・時々ジムと買い物・帰宅後に夕食とツイッターと執筆と入浴・週末に洗濯・掃除・挿絵描き、と・・・正直私にはこなせない読書数になって参りました(汗)。

Q.それらの作品とご自身の作品とを比べて、何か感じることや思うことがあれば教えて下さい。

殆どの方はまだ10代20代の作家様なのですが、やはり若さから溢れる感性の瑞々しさや、発想のフレッシュなところでしょうか?それでも私が掲載している作品の殆どは、高校時代に生み出された物をリメイクしておりますので、執筆中は私もJKに戻っております(笑)。そんな作家様達に負けぬよう、新鮮な作品を紡ぎ続けたいと思います。

Q.少し失礼な質問ですが、たとえば、ご自身の小説を分析してみて、足りないところがあるとすればどこでしょうか?

「流行り」・・・でしょうか? 申し上げましたように長年「独り楽しみ」を続け、ようやく海から帰って来た私はすっかり浦島太郎状態(笑)。現在世の中で流行している作風は遠い所にございます。それでもこうして追い掛けて下さる読者様がいらっしゃるのですから、決して「独りよがり」な作品ではないのだと思いたいです。

Q.逆に、自信のある部分などがあれば教えて下さい。

頂いた感想の中では、特に情景描写をお褒め頂いております。反面、私は余り心理描写を入れないのですが、どうやらその情景描写が心理描写として上手く作用しているらしいのです。ちなみに全て妄想のたまものです(苦笑)。

Q.情景描写が心理描写を補完しているというのは、たとえ結果論だとしても面白い手法ですね。他にはありますか?

ツイッター上での有難き読了宣言などで好評らしいと思われますのは、意外で突拍子もない展開です。それも物凄く有り得ない場所を目指すのではなく、皆様の予想の斜め上辺りに着地するのが心地良いと喜んで頂いております。

それからキャラが立っている、と仰って頂いたこともございました。お陰様でおこがましくも「キャラ人気投票」などをさせて頂いたことがあるのですが、登場人物の殆どに、気持ち良いほど均等に票が行き渡りました(さすがに主役が1位でしたが)。

最後に・・・最近ご無沙汰ですが「微エロ」ですかね(笑)。大抵シリーズ物のエピソード短編辺りにあるのですが、一部の読者様から非常に好評を得ております(苦笑)。

Q.今後の予定や、将来的に目指している目標などがあれば教えて下さい。

今現在仕事多忙のため数日止まっておりますが、次回作『ラヴェンダー・ジュエルの瞳』の最終3話に力を注ぎたいです。それが終わりましたら怒涛の挿絵描きが待っているのですが、若かりし頃どっぷりはまりましたインドがモチーフの、書きかけの作品『砂の城』に今一度取り組み、完結させたいと思っています。

将来的には・・・これ、此処で語って良いのか分かりませんが・・・「小説家になろう」を利用し出した理由の一つとして「自分が死んでも、何処かに作品を遺したい」との想いがございました。ですが連載を続ける内に読んで頂く快感を覚えましたし、今回のお申し出を受けるに当たり、私以前のインタビューを拝見し「もう少し貪欲になっても良いのかな?」とも思わせて頂きました。サイト以外でも「作品を遺す」、その方法を模索する良いきっかけとなりましたので、今後はもっと前向きに作品に取り組んでいきたいと思います。

Q.最後に、読者のみなさまに一言お願いします。

この度は最後までお付き合い下さいまして、誠に有難うございました。作品も作者自身もまだまだ未熟者ではございますが、何処かで見かけた際にはお気軽にお声掛け頂きたいと思います。

ここまでずっと実体験に基づかない、妄想の塊とも云える作品を手掛けて参りましたが、次回作『ラヴェンダー・ジュエルの瞳』には、今夏旅しましたクロアチア世界遺産の街ドゥブロヴニクの様子を事細かに描写致しました。次次回予定の『砂の城』も、数回旅したインドが舞台です。「妄想ばかりでないんだね(笑)」というところを見せたい訳ではございませんが、実際目にした地がどんな様子で描かれるのか、お楽しみ頂けましたら幸せです。そんな創作裏話共々、同じく活動される皆様と色々語らえたらと思います。これからもどうぞ宜しくお願い申し上げます!

インタビュー後記

インタビューを通して受けた朧さんの印象は、謙遜と自信、能動と受動、静と動、積極と消極、それらの間にある微妙なバランス感覚でした。

意図してそうしているわけではないと思いますが、どちらに偏るでもない立ち位置は、実は多くの小説家のたまごが持つ共通の特性であるような気もしています。

まずは自分が楽しむために、小説を書き上げる。でも、たくさんの人に読んでもらいたい。小説家のたまごであれば、誰もが一度は経験する心情だと思います。

そんな中、長期にわたって定期連載を続けている朧さん。インタビューから、長くものを書き続けることに対するヒントを得られたのではないでしょうか。

みなさんは、いかがでしたでしょうか?インタビューに関するご意見や感想があれば、お気軽にコメントください。

 - たまごにインタビュー ,

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