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たまごNo.008 沢村基 インタビュー後編

      2014/12/04

公募でみごと入賞し、直木賞作家の石田衣良さんに選評をもらうことができた沢村さん。入賞により得たものは、それだけではありませんでした。

たまごNo.008 沢村基 インタビュー後編

Q.石田衣良さんからは、どのようなコメントをもらいましたか?

石田先生からは動画で応募作の全体的な評価、そしてサイト上に作品の講評をいただきました。

「シックスセンス」のような感じで興味深く読めた、難しい題材を扱っている、と評していただきました。改善点は、もっと踏み込んでかけるといい、ということと、もっと資料にあたるとリアリティが生まれる、とのことでした。

Q.その評価に対して、どう思われましたか?

小説の冒頭は「世にも奇妙な物語」をイメージしてホラータッチの始まりにしたので、意図したとおりに書けているのかな、と嬉しく思いました。

難しい題材を34ページの短編に盛りこんでいて掘り下げが甘いのでは、という考察は、じつはサークルのレビューでも指摘されていて悩んでいたところでした。

加筆も考えましたが、最終的に審査してもらえる40ページ内に印象的なラストシーンを入れたい、という気持ちを優先させて短編のまま参加しました。
最初の構成の段階で、もっと考えなければいけなかったのかもしれません。

Q.入賞が決まってからこれまでで、小説に対する向き合い方や、考え方など、変わったことはありましたか?

評価されたことに最初はとまどいもありましたが、今後書き続けていく大きな燃料になりました。

ノベリスタ大賞は最終選考に残ると、石田衣良先生が講師をされる小説スクールに呼んでいただけるのです。私はこの影響がすごく大きかったです。まわりは既に書籍を出してる作家さんや漫画原作をされてような方ばかりで、雑談も講義の内容も、「プロをめざして当たり前」の空気でした。その中の一人として、石田先生、担当編集の方、受賞者仲間から激励を受けたことは、今も私の大きな原動力になっています。

懇親会では個人的に石田先生に、携帯小説という特異な形式で書くうえで迷っていた部分を質問させていただきましたし、参加者それぞれの方がマーケット分析や次の展望を持っていて、とても刺激になりました。同時に私にしか書けないものをもっと追求していかなければ、彼らのレベルに追いつけない、とも感じました。

Q.沢村さんが、小説を書くときに一番大切にしていることは何でしょうか。

テーマ、だと思います。どうしてその物語を書きたいのか。何を訴えたいのか。そこを基点とすることで、迷わずに書ける気がします。

Q.小説のアイデアを思いつくのは、どんな時が多いですか?

身の回りの理不尽なことに対して、疑問や怒りを感じている時が多いと思います。
どうしてそうなるのだろう。どうしてこの人はこんなことを言うのだろう。そういうことをずっと考えていると、何かのはずみで「そうか!」と自分なりの結論にいたる瞬間があります。その結論を、誰かと共有したくて書いている気がします。

Q.今これを読んでいる、入賞を目指している小説家のたまごに、何かアドバイスをお願いします。

(アドバイスできるような立場ではないのですが)私は二回目の応募で拾っていただいたので、あきらめずにしぶとく出し続ける、ということが大事かと思っています。

そして、過去の受賞者の傾向分析はしましたが、それに倣うのはあくまで表面的な部分で内容は独自のもので勝負すること、でしょうか。そうでないと、オリジナルの作品を続けて書いていけないと思うのです。

ノベリスタ大賞は冒頭の40ページで審査される賞で、完結していなくても応募できます。ジャンルも不問で、とても敷居が低いので、参加できそうな作品を持っている方はぜひ応募してみてほしいと思います。

賞金はありませんが、作家仲間との交流が一気に広がりますし、意識の面で得るものが多いです。

Q.今後の予定や、将来的に目指している目標などがあれば教えて下さい。

今後もエブリスタで連載を続けていきます。「実験庭園の歩き方」を無事に完結させるのが当面の目標です。

将来的には、自分の書いたものが書籍になるのが夢です。携帯小説を書いているのですが、やっぱり自分の作品が紙媒体になったところを見て、触れてみたいです。

Q.最後に、読者のみなさまに一言お願いします。

ここまでおつきあいくださり、ありがとうございました。

私はノベリスタ大賞の入賞をエブリスタ登録半年でいただきました。
とても幸運だったと思う反面、当時書き上げている作品もほとんどなく、このサイトでの交流や連載のやり方など何も知らないままだったので、せっかくのチャンスをうまく生かしきれなったのではないか、と思っています。

いくつか作品を書き上げ、実力を蓄えてから受賞、本当はそのほうがずっとその後の飛躍につながる気がしています。

だから書き手の方には、思ったように評価されなくても、焦らずあきらめずに書き続けてほしいと思います。
いつチャンスがやってきてもいいように。いざその時に、大きくはばたけるように。

インタビュー後記

公募で入賞できるというのは、当然のことながら簡単なことではありません。

もちろん運や才能だけでもなく、沢村さんのように、努力や工夫、戦略など、本人の明確な意志と行動があってこそ、勝ち取れるものです。

そして入賞の先には、同業者や大先輩方と交流するチャンスが待っている。ここで質の高い人脈が作られることによって、さらなる高みを目指すための土台が、積み上がっていくのです。

みなさんは、いかがでしたでしょうか?インタビューに関するご意見や感想があれば、お気軽にコメントください。

 

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