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たまごNo.001 天川さく インタビュー後編

      2014/12/24

中学2年生で突然執筆に目覚め、「作家になる」と決めた天川さん。時を経て、大きなターニングポイントが訪れます。そこにはひとつの大きな決断と、その決断から始まる怒涛の展開が待っていました。

天川さく インタビュー 後編

Q.2013年11月に、天川さんは文庫本『終焉のソースヤキソバ』を自費出版されています。そこに至るまでの、印象深いエピソードなどがあれば教えて下さい。

いろいろな出版社さんから自費出版を勧められていましたね。モテキみたいに。でも高い! 2年ほど断り続けていたんです。でもある日、文芸社さまから「文芸社セレクション文庫」から出さないかと。文庫だと安くなるんですよ。文芸社さんだから全国区で販売してもらえるし。いろいろな噂はありましたが、わたくしとしては妥当な相場の値段かな、とも思えたのと、あと、営業の方、この方の力だと思います。

Q.自費出版といえば、お金の悩みがつきものですよね。天川さんの場合は、何が決め手になったのでしょうか。

書き手って、いつも感想に飢えているんです。いい感想も悪い感想もなかなか頂けない。それを、その営業の方は拙作をびっくりするほど読み込んでくださっていて。本気で泣いたくらい。で、「この方ならいいかな」と。やっぱり結局人間力なんですよね。……わたくしはたまたま素敵な営業の方と巡り合えたのかもしれませんけど。

そこからはもう腹をくくって作業に掛かりました。「金を出すんだから口も出すぜ」とな。すんごい、出しました。担当の方がびくびくしていましたから。表紙は知人の絵師さんに描いていただいたし、章扉のレイアウトも「こうしてください」とデータを送り付けたほどです。帯も自分で書きました。あらすじは力尽きて書いてもらいましたが、これが後悔 。がんばって書けばよかった。これから出される方、妥協は禁物です!

Q.なるほど、参考になります。その後、電子書籍としても作品を出版されています。文庫本の時とは、何か違いはありましたか?

なんと! 自費出版の了承をした直後に電子出版社の「いるかネットブックス」さまから採用連絡があったのです。流れってあるんですねえ。

デジタルで一番戸惑ったのがジャンルです。それまでは「エンタメ」と「純文学」に区別していた程度でした。それを検索でヒットしやすいように、はっきりジャンルを書かなくてはいけない。自分が書いているのは一体なんなんだ! と。今でも身悶えます。最近ようやく殺人犯人が出て来ないライトなミステリ、しかもサスペンス系、と把握しました。それまでは「未来設定だからSFかな?」とやっていた。失敗しましたねえ。

あと、反応が出るのが遅い。売れているのかどうか、半年から1年スパンで見ないといけない。気長な業界なのです。その分、ずっと検索でもキャッシュが残っていてくれます。怖いほどに。

Q.自分の世界で閉じて書いている時には、ジャンルの正確さはそれほど気にしなくてもいいですからね。その後リリースされてからの、周りからの反響はいかがでしたか?

すごいですよ。ほとんど、ない! だから読まれていないのかと安心して好き勝手を始めると、思いもしないところで読まれていて、その方のブログとかで感想が書いてあったりして赤っ恥を掻くので気をつけないといけないと知りました。油断大敵です。とにかく、反応のスパンが長いので、めげずにマイペースでコンスタントに発表する、これに尽きるのではないかと思います。

Q.読者の中には、紙媒体での自費出版や電子書籍で、本を出そうかどうか悩んでいる方も多いと思います。そういった方に、何かアドバイスできることはありますか?

紙媒体の自費出版は「自分の名刺代わり」という気持ちで出すといいかと。そして前述のとおり、お金を出すのですから口も出しましょう。宝物の1冊に仕上げましょう。完成品を見ているだけで幸せになれますよ。それからやはり、いろいろ相場を調べてからのがよろしいかと。納得しないと「ぼったくられた」感があって気持ち悪い。納得してから契約をしてください。

電子書籍をセルフでやるなら、まず売れないと思って始めてください。売上げでほくほく、なんてことは滅多にありません。kindleでやるなら、いろいろテクがあるらしいですから、その手の本を購入してから始めるといいですね。無料配布ではなく販売するなら、表紙の著作権とかフォントが商用可のものかとかも気を付けてください。

Q.今後の予定や、将来的な目標などがあれば教えて下さい。

大人の恋愛をメインにした話を書いていきたいなあと思っております。いわゆるR18をクリアということですね。今まではいろいろ面倒でついつい全年齢対象にしていました。血がたくさんでるからR15がある程度でしたか。イロっぽい話、どんなジャンルでもあるとわくわくしますから。

Q.最後に、読者のみなさまに一言お願いします。

拙作のメイン舞台はRWMという企業です。この社員が120名で、全員濃い ~キャラです。そして、どの作品もRWMの存在する世界です。RWMという名前が出なくても、主人公が変わっていても、実はどこかで誰かが繋がっている、そんな話です。「ここではコイツはこんなことしてたんだ」とくすくす笑っていただけたら、幸いです。もちろん、全部ばらばらに読んでも楽しんでいただけます。気づくとRWM中毒に? あ、これがわたくしの将来的な目標ですかね。よろしくお願いいたします♪

インタビュー後記

管理人のにわとりです。

実は、小説家のたまごの企画を思いついたとき、私の中で最初のインタビューは天川さんにお願いしよう、と決めていました。面識はまったくなかったのですが、twitterでお見かけして、しっかりした考え方を持っておられる方だと勝手に尊敬していたんです。

嬉しいことにオファーを快諾していただき、案の定、私のつたない(初めての)インタビューにも期待以上の回答をくださりました。

そして、既に読者の方からも反響を多数いただいており、サイトオープン2日目にして、天川さんにお願いして本当によかったと思う気持ちでいっぱいです。

いかがでしたでしょうか?面白かったですか?参考になりましたか?読者のみなさまにとって、「小説家のたまご」が何かを考えるきっかけになれば、これ以上の幸せはありません。

これから、どんどん素敵な小説家のたまごに登場していただく予定ですので、楽しみにしていてください。

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 - たまごにインタビュー

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