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【たまコラム:文学賞で大賞をとる】第0回:はじめに/あやまり堂

   

文学賞で大賞をとる

たまコラム、最初のテーマは『文学賞で大賞をとる』です。

小説を書くことの目的は人によってさまざまですが、ひとつの目標として「文学賞や新人賞で入賞する」を目指している小説家のたまごは多いと思います。

それは、プロの小説家になるための重要なステップであり、小説を書き続けるモチベーションであり、WEB媒体で簡単に作品が発表できるようになった今の時代でも、やはり絶大な価値をもっています。

ただ、多くの小説家のたまごにとっては、まだまだ儚い夢とも言えます。中には、はじめから諦めており、興味はあるけれど一度も応募したことがないという方も、少なくないと思われます。

今回このテーマでコラムを連載していただくのは、最近とある文学賞で、みごと大賞にあたる賞を受賞された「あやまり堂」さん。大賞受賞者だからこそ語ることができるリアルで貴重な体験話を、ぜひ参考にしてみてください。

それでは、本日から始まる連載を、お楽しみください。(更新のペースは1~2週間に1回を予定しています)

はじめに

あやまり堂(あやまりどう)
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このたび、わたくし、あやまり堂の人は、『老虎の檻(ろうこのおり)』という時代小説で、第22回九州さが大衆文学賞大賞・笹沢左保賞をいただきました。
九州さが大衆文学賞は、作家の故・笹沢左保が提唱した文学賞で、地方文学賞ながら、選考委員として森村誠一、夏樹静子、北方謙三の三人が担当されるという、まことに豪華な文学賞です。過去にプロになった方も多く、「新人作家の登竜門として知られている(佐賀新聞)」そうです。
斯くすばらしい文学賞をいただいたからには、私も、竜門に登った……かどうかは分りませんが、そこ辺へ来ることはできたと考えて良さそうなので、これまで苦労輾転としてきたことなどを、「文学賞大賞受賞を夢見る小説家」の皆様のため、書き散らしておくことも意味あると思いました。
まー、小説作法なんて、結局のところ、個々人で見つけ出すしかないもので、他人の作法を眺めたって仕方ないかもしれませんが、新人賞を目指される方は多いでしょうし、いくらかは、あたくしの個人的な記録が参考になるかもしれません。

自己紹介

あやまり堂の人は現在、社会人12年目くらいで、小説は大学生の頃から書いてきたので、かれこれ16年は経過しています。よくもまあ、飽きもせず懲りもせず、続けてまいりました。

学生時分は、文学研究会というサークルに入って、部誌に短編小説を載せてきました。
ジャンルは時代劇が多かったですが何でも良く、ただ、ミステリーだけは書くことができませんでした。今でもまともなミステリーは書けません。
ふと、今まで、どれだけの小説を書いてきたんだろうと、単純に数えてみたら、長短あわせて167ありました。意外と少ない。でも、小説の書き方を模索する中で、『宇治拾遺物語』全198話を現代語訳してみたりとか、わけのわからん試みをしていますので、数じゃよく分らんです。
小説の書き方の模索の中では、まともに日本史を調べなくては、とばかりに放送大学の大学院で日本史(キリシタン史)を研究、論文書いて、つい最近、修士になりました。引き続いて今も地元大学の博士課程に在籍してます。

「九州さが大衆文学賞」大賞受賞作『老虎の檻』について

有名な戦国大名、武田信玄の父・信虎が、息子から追放されて駿河に逼塞させられてからの物語で、復権を企む信虎すなわち「老いた虎」が東奔西走する……というような筋書きです。六十過ぎの信虎へ仕える、相木鹿之助という若者を設定した点が、うまく行ったと考えています。
選考会において、全委員から高い評価をいただいて有頂天になってますので、佐賀新聞紙上に掲載されたコメントを、引用します(2015年3月6日朝刊)。

北方謙三先生:「いわば自分を追放した信玄の家来を殺すだけのストーリーだけど、これが意外と書けている。小説としての切り口をきちんとみせて物語を展開し、読者を最後まで引っ張っていく」
「小説で描かれている時期の前後は、上杉謙信との川中島の戦いがあり、それらの歴史的事実を入れ込むととんでもない作品になるところを、武田家の一時期をうまく切り取って描き出した。この作者は可能性を秘めている」

夏樹静子先生:「文章の安定感では抜群によかった。ただ、登場人物が多すぎて、もっと絞った方がよかったように感じる」
「『こういう文章はいらない』といった余計なものがない」

森村誠一先生:「歴史小説というのはなぞりがあってつい報告や説明調になってしまう。この小説は武田信玄と信虎親子という有名な権力争いをテーマに、今川家を絡ませ、同盟、裏切り、同盟といった時代背景の中で物語が進んでいく。登場人物でよかったのは、信虎に仕える相木鹿之助の存在。この人物は作者のフィクションだろう」
「あえて惜しいとするなら、相木鹿之助がもっと活躍してほしかった。その意味でA評価にマイナスをつけた。(略)信虎の破廉恥さや狡猾さのもとで鹿之助が活躍する姿をもっと書いてほしかった。ただ、そうすると枚数が足りなくなってしまう。鹿之助が本当によく書けていただけにもったいない」

……長らく一次落ち通知のコレクターを続けて、さまざまな試みを繰り返してきた結果、このような評をいただくに至りました。ありがたいことです。
斯様な身の上で。
受賞までの流れ、今に至る小説作法など、皆さんの参考になるかは分りませんが、ともかくこれから10回ほど、連載させていただきます。
何か質問やご意見があれば、できる限りお答えしますので、ツイッターayamarido宛てにご連絡いただくとか、当コラムのコメント欄へ書き込むとかして下さればと思います。

なお、『老虎の檻』は、4月下旬から佐賀新聞紙上に連載された後、5月22日発売の「小説NON6月号」に全文掲載される予定です。

 

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