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【たまごの物語:西暦3015年】巡り年/紙男

      2017/06/07

【たまごの物語:西暦3015年】巡り年/紙男

今日は、本来ならば西暦3015年の1月1日である。
私が大好きだった祖父は、幼かった私に、よく“昔”の話をしてくれた。
「あの当時はね、あと100年もすれば、人はもっともっと長生きできるし、宇宙旅行にだって簡単に行けるようになるし、エネルギー資源の問題も回復する、何て言われてたんだよ。まぁ争い事は相変わらずあるのだろうし、解決できない問題は山のようにあっただろうけど、それでも聞くと、夢みたいな話だと思うでしょ?けどこれは全部ホントのことだったんだよ。この話はね、私が大好きだったお祖母ちゃん、ミライちゃんからみたら曾曾曾お祖母ちゃんだけど、その人からよく聞かされたんだ。ホントに、夢のあるいい時代だったらしいんだ。とても信じられないかも知れないけど、ホントのことなんだよ。今じゃ到底想像もできないけど」
伝承によると、2015年12月31日23時59分59秒…の瞬間から、時間後退現象が発生したと言う。すなわち、時々刻々と、時間が遡る現象だ。
研究者たちは八方手を尽くし、原因究明と現状回復しようとしたそうだ。だが研究機材が日に日に古くなってしまい、20年程で匙を投げたらしい。
以来、時間後退現象は今日まで脈々と続いている。だから今日は、本来ならば3015年1月1日だが、実際には1015年1月1日である。日本は今「平安時代」という時代にあるらしいが、記録がないので、すべての歴史は伝聞系になってしまう。
幸い(?)人びとの記憶だけは後退しない。なので、大切なことは、言い伝えていくしかない。
だから私も、今日から孫に、ことのすべてを語る。
「カコちゃん、ちょっとこっちにおいで」

作者プロフィール

紙男
超短編を中心に執筆活動中。毎日ツイノベも発信しています。文芸ユニット「絵空少女」を結成し、フリーペーパーの発行や、サイトでは連載小説を掲載しております。
ラーメンとポケモンと伊坂幸太郎さんとスピッツが大好きです。

作者あとがき

紙男と申します。投稿は三回目です。はじめましての方ははじめまして。そうでない肩お久しぶりでございます。

今回のテーマは「西暦3015年」。

私の想像力が足りないからか(それもどうかと思いますが)1000年の未来なんてまったくもって画が見えてきませんでした。それでも何とかしようと考えましたが、まるで駄目でした。でも諦められないので、さらに考えました。
そして、それならば逆転の発想で、時間を遡ってしまえーと思い、30分弱で作品を仕上げました。正直「こんなんでいいのかよ」とは思いつつも「無くはないかな」とも思いましたので、投稿するに至った次第です。

ここまで読んで頂き、ありがとうございます。またお会いできることを心から祈っております。
以上あとがきでございました。

 - 西暦3015年

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