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【たまコラム:電子書籍の作り方】第1回:わたしがなんとなく電子書籍を作るまで/未衣子

      2017/06/06

【たまコラム:電子書籍の作り方】第1回:わたしがなんとなく電子書籍を作るまで/未衣子

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この文章は、以下を目的としています。
★あなたが電子書籍を作ること
★あなたの身の回りの人に電子書籍を読んでもらうこと
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連載の第1回は、わたしがなんとなく電子書籍を作るまでに至った経緯をお伝えします。タイトルに《なんとなく》ということばを使ったあたりからもお察しいただきたいのですが、これがまた、かなりユルい話です。始まる前からすでに「なんだ、それだけかよ」という声が聞こえてくるような気がします。しかし、「なんだ、それだけかよ」という声が聞こえれば聞こえるほどこちらの思う壺となるのが、この連載の嫌なところ。「下らないな」「それだけかよ」と感じたならば、ぜひともあなたの作品を電子化するきっかけとして利用していただきたいのです。

初めて作った本が半分くらい電子書籍だった

わたしは、ひとりで細々と小説を書いている者です。何年もひとりで細々と小説を書いては、人に読まれているかどうかもわからぬまま、ブログに文章をアップし続けていました。あるとき、偶々それを読んで下さった方から「一緒にフリーペーパーで文章を書きましょう」とお誘いをいただきました。これをきっかけとして、少しばかり人に読んでいただくために小説を書き始めたのです。

フリーペーパーでの活動が軌道に乗ってからしばらくすると、他にも文章で何かしてみようかと思い立ち、ひとまず文学フリマに出てみることにしました。すると当然、売り物にするために自分の本でも作るか、という話になるわけです。本来であれば、そこで印刷所とお取引をして同人誌を作るという流れになるところなのですが、それまで本を作ったことがなかったものですから、不安のあまり、もう少しひとりでこっそりやれるのがいいな、という方向性になりました。入稿やら紙質やら、周りに相談できる人がまったく居なかったので、なるべく自分の力だけで出版できそうな方法を選ぶほかなかったのです。

そこで利用することになったのが、BCCKSというサービスでした。と、このような文脈でお伝えするとなんだか宣伝くさくなるような気がしますが、あくまで一個人としての意見を申し上げるつもりです。BCCKSを使えば、ブラウザ上の専用エディターを使って、本を作ることができます。一から自分でデザインをして印刷所に頼むのに比べると、出来ることにはかなりの制約があるかもしれませんが、周りに頼れる人もいないわたしにはぴったりのサービスでした。とにかく、初心者でもあまり人と関わらずにできるのが魅力的だったので、ここで紙の本を作ることにしました。

それで、このBCCKSというのが、紙の本を作ると同時に電子書籍も発行できるサービスだったというわけです。わたしは上記のように、紙の本を印刷する目的で使ったのですが、気づけばいつの間にか自著の電子書籍版ができあがっていました。非常に下らない話ですが、何のひねりもないこれこそが、わたしが電子書籍を作ったいきさつです。このようにして出来上がった電子書籍ですが、せっかくだから公開してみようか、ということで値段をつけて販売しました。すると意外にも、イベントに行けなかった数名の方が、買ってくださったのでした。

作った電子書籍のその後は?

電子書籍を作ってからしばらくは、イベントのついでに少しばかり紹介をするだけで、ほとんど放置しているような状態でした。ところがあるとき、「Amazonで自分の本が買えるようになったら、なんとなく面白そう!」と天啓のようにひらめいたので、これまたなんとなく行動してみることにしたのです。BCCKSの機能を使い、500円の手数料を払って自著をAmazonやiTunes Storeなどに配信しました。わたしは普段からAmazonで買い物をすることが多いのですが、いつも使っているショッピングサイトで自著が買える環境を整えたのは、なかなか良い傾向かしらと感じています。

たまたま入った本屋さんで思いもよらない本を手に取ってみる、という出会いの重要さについては、本好きな方ならば心当たりがあるでしょう。電子書籍化すると、少なくとも紙の本だけを売るよりかは、人の手に渡る可能性が僅かばかり高くなります。あなたの書いた本がインターネットのどこかで誰かと出会うチャンスが、ゼロではなくなるわけです。わたしの書いた本はすでに、いつ何時どのようなキーワードで誰の検索に引っかかるかわからない、という未知へと放り出されました。

「そのうち誰かが読んでくれるかしら」という程度のモチベーションでも、電子の海にひとまず自著の居場所を作ってみること自体は、決してマイナスには働かないと考えます。人がある本にたどり着くまでは、何がきっかけになるかわからないものです。もしかしたらどこかで誰かが、電子書籍化をきっかけにあなたの作品を見つけてくれるかも。

もちろん、電子化した本をどんどん売ってゆくために行動しなければ、という選択肢もあるわけです。いつまでもこんな悠長なことばかり言っていられないかもしれません。とはいえ今は事始めですから、まずはこの程度から。

で、それだけ?

電子書籍を作った者の中には、これほどまでにあっけないケースがあります。ご興味を持たれた方は、BCCKSを利用してみてもいいですし、もちろん、他のサービスを使って電子書籍化してみてもいいでしょう。それらについての具体的な情報は追々、これから連載の中でお伝えしてゆくつもりでおります。

「電子書籍化」と聞くと、こんなに小さい規模でも電子化する必要があるのかしら、とお思いになる方がいらっしゃるかもしれません。しかし、何かを始めるのに理由は要らないのです。ここまで読んでいただけたということは、よっぽど電子書籍化に興味がおありだということですね。この連載が続く間にでも、ぜひ色々と検討していただけたらと思っています。

ところで、これまた偶然なのですが、この3月中にkindleを購入しました。「待っていました!」とばかりに電子化した自著をダウンロードしてみたら、ちょっぴりいい気分。精細な画面に端麗なフォントで浮かび上がる自著の様子に、えもいわれぬ満足をおぼえました。 《なんとなく電子化しておいて良かったこと》がひとつ増えたものですから、ぜひともここでお伝えしておかねばと思いまして。

 

今回は《電子書籍化とは実はこんなにあっけないものでした》との旨をお伝えしたつもりです。あなたの作品の電子書籍化へ向けて、あまり大きな船ではありませんが、この機会にと乗っていただけたら幸いです。なお、ご意見ご感想などをTwitterで @315meow宛てにいただけたら、今後の内容などに反映することも可能ですから、気になることがあれば何なりと。それではまた、次回にお会いしましょう。

たまコライター プロフィール

未衣子(みいこ)
未衣子
埼玉県で小説を書いている25歳の女。Twitterとハムスターとインドカレーが大好き。本業はライター。フルタイムで、人に読まれるかもわからない無記名の記事を書いては、退勤後に小説を執筆している。サークル「さいたま養豚場」では主に文学フリマ東京に出展。人格と作風の乖離による売り込みの困難さを常に実感している。Twitter:@315meow

たまコラムとは

小説家のたまごが気になるテーマごとに、担当たまコライターが数回から十数回程度のコラムを、連載形式でお届けします。

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