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【たまコラム:電子書籍の作り方】第4回:実際に電子書籍を使ってみて良かったことを卑近に語ります/未衣子

      2017/06/06

【たまコラム:電子書籍の作り方】第4回:実際に電子書籍を使ってみて良かったことを卑近に語ります/未衣子

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この文章は、以下を目的としています。
★あなたが電子書籍を作ること
★あなたの身の回りの人に電子書籍を読んでもらうこと
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連載の第4回は、わたし自身が実際に電子書籍専用端末のKindleを使ってみて、良かったことについて、つらつらと述べてゆきます。とはいえ、すでに広く知られている電子書籍の利便性については、ここで敢えて申し上げても意味がありませんから、この記事ではあくまで卑近で、より俗世的な観点から見たメリットについて、取り上げてゆくつもりです

電子書籍を読むのに専用端末は必要ないけれど、という前置き

電子書籍を読むにあたって専用の端末が必要ないことについては、前回でも少しふれました。お手元のスマートフォンやタブレットのアプリを使えば、EPUBファイルを読むことができるのでしたね。もちろん、PCからも閲覧できます。したがって、《ちょっとだけ》読むくらいなら、Kindleをはじめとした電子書籍の専用端末を買う必要は、無いといって間違いはないと存じます。

さて、そうはいっても、画面が小さくて光が眩しいスマートフォンで長時間の読書をするのは、なかなかにキビシイものがありますよね。《ちょっとだけ》のつもりの読書が、《いつもの》読書になったとき、人によっては専用端末が欲しくなるのかしら、というところです。わたし自身は、その分岐点に立ったとき、Kindleを買った側の人間です。どうして購入に至ったか、の雑談は、長くなりますから後にご紹介いたします。

破けない

電子書籍専用端末は、破けません。本と違ってタブレットが破けないのは、いわば当たり前ですね。ただ、こうして破けてしまうかもしれない不安がまったく取り除かれてみると、かなりのストレスが軽減されているのに気がつきました。

専用端末は、カバンに入れてもぐちゃぐちゃになりません。わたしは比較的ガサツな性分ですので、外出する際にカバンに本を入れておくと、いつの間にかページが折れてしまっていたり、帯がちぎれてしまっていたりと、本を傷つけてしまうことが多くありました。文庫サイズの本であれば、岩波文庫のポケットリブレポーチ( http://shop.concierge-net.com/eshopdo/refer/vid14048-2.html )に入れて持ち運ぶなどの対策を取っていたのですが、これに入らない単行本はまあ破けます。一時期はブックカバーを使ってみたこともありましたが、一度、ブックカバーの引っかける部分がどうにかなって、盛大に表紙を破いてしまってからというもの、二度と使わなくなりました。そういった意味で、専用端末は持ち運び時のストレスを大幅に解消してくれたのです。

それだけでなく、破ける不安がなくなったことにより、通勤電車での読書が快適になりました。わたしは会社勤めをしているので、毎朝毎晩、電車の中で本を読んでいます。電車での読書とは、(ある程度車内がすいていればそれほど気にすることもないのですが)乗車率が高くなるにつれ、ふとした表紙に本が破けるのではないか、と不安がたちこめてくるもの。混雑した車内で立ったまま読書するときもそうですし、座って寝ているときにも変にページを持ったままうたた寝してしまって、破けたり、ファンデーションの油がついたりしないかどうかと、いつも不安でした。しかし、専用端末を導入してからは、すっかりこれらのストレスを感じなくなりましたね。って、こんなにふざけた章でここまで文字数を使うつもりはなかったのだけどなあ。

何冊も持って行ってしまうマンにならなくて済む

読書好きと称するほとんどの人には、《何冊も持って行ってしまうマン》の気があるのではないかと推測します。たとえば外出をする際に、全体の3分の2まで読み終わった本を持ってゆこうとすると、実際には読み終わる見込みがないにもかかわらず、なぜか次の1冊も一緒に持って行ってしまう。旅行のお供に本を持って行こうとすると、実際には読み終わる見込みがないにもかかわらず、なぜか何冊も余計に持って行ってしまう。これに心当たりのあるあなたは、残念ながら《何冊も持って行ってしまうマン》です。おめでとうございます。

こんなとき、いつでもどこでもオンラインストアで本を買える専用端末がひとつあれば、《何冊も持って行ってしまうマン》の症状をいくらか緩和できます。万が一、本を読み終わってしまったとしても、その場ですぐに次の1冊を買える安心感があるからです。ただし、「いつ紙の本を読み終わってもいいように、一緒に電子書籍も持って行こう」なんて紙の本と電子書籍の双方を持ち歩くようになってしまったら、それはもう手の打ちようのない、末期の《何冊も持って行ってしまうマン》だと言えるでしょう。まことにおめでとうございます。

電子書籍リーダーを買えば蔵書の増殖を防げるのか

家に本が多すぎて困っている人の中には、電子書籍ストアで本を買えばこれ以上増えゆく蔵書に悩まなくて済むかもしれない、と考える人があるでしょう。しかし、はっきり言って、電子書籍リーダーを買っても、蔵書の増殖を防ぐのは難しいといえます。なぜなら、電子書籍リーダーが手に入ると、紙の本と電子書籍を平行して購入する生活が始まるため、これまでより劇的に蔵書の増殖スピードが落ちるなんてことはまずあり得ないからです。

どうして電子書籍リーダーを用意しても紙の本を買ってしまうのかというと、やはり《すべての本が電子書籍化されていないから》に尽きます。もちろん、装丁の美しさなどのさまざまな理由から、紙で所有しておきたい本もありますね。紙でなければ手に入らない本は紙で購入し、電子書籍版のある本は電子書籍を購入する。蔵書も、バーチャルな蔵書も、増える一方。

もし、どうしても電子書籍化してほしい本があるなら、Amazonにある「この本のKindle化をご希望の場合、こちらをクリックしてください」ボタンを根気よく押し続けてください。お急ぎでなければ、そのうち電子書籍化されるかもしれない可能性にかけてみるのもいいかもしれません。

部屋に同人誌が増えない

部屋が本だらけで困っている、というくらいの本好きな方に自著を買っていただけるのは、非常に光栄なことです。自分で作った同人誌が誰かに大切に扱っていただけるのだとしたら、これ以上に有り難いことはありません。しかし、その人の部屋のスペースは有限ですから、古本屋で売ることのできない自分の本が、彼らの本棚に一冊分の場所をいただくということで一体どういう結末になるか、考えずにいられないときがあります。

ところで、同人誌を電子書籍で販売すれば、こういったお節介も無用となります。

勧誘をしてみよう

わたしはつい最近、Kindle Voyageを買いました。どうして買う気になったのかといえば、読書会で知り合ったお姉さんが持っていたKindle Paperwhiteを見て、衝撃を受けたからです。恥ずかしながら、それまでわたしはKindleの画面を見たことがありませんでした。ところが、そのとき見た画面があまりに精細で、紙のようにマットな反射具合をしているのに感動し、「この画面なら長時間読んでも目が疲れない!」と瞬時に悟ったのです。わたしはその後、彼女からKindleについての簡単なレクチャーを受けました。たしかその次の日にはもう、注文していたと思います。

そんなわたしは先日、付き合いの長い友人へ、Kindle Voyageを買わせることに成功しました。Kindleでの読書体験を味わい昂った気持ちや、電子書籍化した自著を画面表示した写真をTwitterに投稿したところ、それを見た友人が興味を持ったのです。友人はその後、間もなくKindleを買いました。わたしたちは新しいスタイルでの読書の面白さや、蔵書の増殖がどうにもならない点について、皮肉交じりに語り合いました。

電子書籍を読む人が爆発的に増える方法について、わたしは知りません。ただ、こうして仲の良い人に「電子書籍って楽しいよ」と直接伝えれば、1人ずつ読む人が増えてゆくようです。毎日、通勤電車の中でKindleを読んでいたら、たまたま後ろから画面を覗き込んだ人が「なんだろう、あれ」と興味を持つかもしれません。最近では、夫もKindleを買うと言い出しました。《1家に1台Kindle》ではなくて、《1人に1台Kindle》の時代がわが家にもやって来たのでしょうか。あなたもどうぞ、お試しあれ。

 

今回は、電子書籍を使って良かったことについてお伝えしました。次回も引き続き、電子書籍にまつわる雑多な話題をお楽しみください。なお、ご意見ご感想などをTwitterで @315meow宛てにいただけたら、今後の内容などに反映することも可能ですから、気になることがあれば何なりと。それではまた、次回にお会いしましょう。

たまコライター プロフィール

未衣子(みいこ)
未衣子
埼玉県で小説を書いている25歳の女。Twitterとハムスターとインドカレーが大好き。本業はライター。フルタイムで、人に読まれるかもわからない無記名の記事を書いては、退勤後に小説を執筆している。サークル「さいたま養豚場」では主に文学フリマ東京に出展。人格と作風の乖離による売り込みの困難さを常に実感している。Twitter:@315meow

たまコラムとは

小説家のたまごが気になるテーマごとに、担当たまコライターが数回から十数回程度のコラムを、連載形式でお届けします。

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