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【たまコラム:はじめての官能表現】第1回:感じたことを思いのまま/藤村綾

      2016/03/12

※本コラムでは性的表現が含まれます。15歳未満の方や、不快に感じられる方は本コラムは読み飛ばしてください。

【たまコラム:はじめての官能表現】第1回:感じたことを思いのまま/藤村綾

あたしは、正直、自分の身に起こったことしか小説に起こせない為、あたしとお付き合いをする男性は、自動的に小説のネタになるわけです。(その時お付き合いをしていた男性には必ず小説を読ませます)

その渦中の男性(もう別れました)は既婚者でした。禁忌な関係でした。甘い時間。切ない時間。弊害がある分だけ燃え上がるベッドの上。滂沱の涙を流しながら、抱きしめられ、彼との時間は過ぎてゆきました。人生は最高のシナリオです。結局、彼は家族の元に戻って行きました。

けれど、文字に残しておいたことで、思い出は美化され綺麗なまま残りました。(彼も、もちろん知っています)
彼との恋の顛末を何回かに分けて官能の文章も交えながら冒頭部分にちょっとづつ、小出しに(笑)書いてゆきたいと思います。あたしの恋の断片が少しでも皆様のお役に立つように……。(不倫はいけませんがね)

 

「あたしの存在を消して。わからないように帰ってね」
あたしは、彼の耳もとで囁いた。彼の熱い吐息が耳に降りかかる。あたしは、目を綴じで、彼の唇を塞いだ。
唇を抉じ開け舌を差し出す。
繋がっている。涎が滴り落ちる。彼を感じるすべは、舌と性器が繋がる事以外、見つからない。抱きしめあう温もりは即物的なのに、彼の心はひどく遠い。あたしは、泣いた。けれど、熱い漲りが、あたしの中で抜き差しされる度、律儀に声を出し啼いた。泣くのか、啼くのか、はっきりしないまま、彼に組み敷かれ、あたしは、髪の毛を振り乱し、腰をくねらせる。喘ぎ声がだんだんと遠くなる。あたしの声が天井から降ってくる。彼の背中にしがみつき、咆哮の声を上げ、彼の体内に呑み込まれてゆく……。

 

世の中は男と女しかいません。セックスは人間だけに与えられた、快楽のなにものでもありません。セックス描写は文章の中で一番書きやすい描写なのです。

どのジャンルの小説でも、少なからず官能描写が出てきます。あからさまではなくて、ひっそりと。生々しいエロスでは、なく、美しいエロスという感じでしょうか?

具体的に表しますと、例えば、『キス』という単語だけでも、キス以外にもたくさん言い回しがあり、その文体によって使い分けをします。『唇と唇が重なった』『生暖かい舌が入ってきた』『唇を割り、彼の舌があたしの舌を追いかける』など、など。

官能小説になると、それは、それは、擬音が交じり、『ねちゃ、ねちゃ』『ヨダレを垂らしながら、ぐちゃぐちゃ互いの舌を絡ませ、境界線がわからないほどに、貪りあった』など。など。

官能小説は、リアルにエロく表現してなんぼです。恋愛小説や、純文学などの小説には、ものすごいエロい描写は皆無です。何気ない、エロス。読んでいて切なくなるような官能表現。自分の中にある、恋愛観。そこを文字におこす。官能表現は決して恥ずかしいものではない。むしろ、綺麗に表現できれば、感情移入し易いです。

例えば大好きな彼・彼女に抱かれ、抱きしめられる描写。
彼女目線から描くのと、彼の目線から描くのと。あと、客観的に見ている誰かが描く描写があります。(三人称)

まず彼女編の場合。
『彼の温もりが華奢なあたしをまるっとのみこむ。彼の心臓の音。彼の匂い。彼の温もり。彼の温かい指があたしの顎に触れる。顎を少し持ち上げ、上にくいっとあげた。あ、キス、されるの?あたしは、そっと、目を綴じる。彼の気配が顔に感じ、温かく、柔らかい唇があたしの唇に降りてきた』

彼編。
『初めて抱きしめる彼女は思った以上に華奢で俺が、抱きしめたら折れてしまいそうだった。心臓が爆発しそうなほど、跳躍している。俺は彼女に悟られないよう、毅然とした態度で、震える指を制し、小さな彼女の顎を持ち上げた。グロスだろうか?ぽってりとしたピンク色の唇が艶かしくて、俺は理性を失いかけていた』

三人称の場合。
『真冬の夜空のなか、まことと、ありすは、公園の心もとない電灯の下で初めて抱き合った。本当はずっとこうしたかった。けれど、純な2人は手をつなぐだけで、いっぱいいっぱいだったのだ。まことは、感極まり、別れ際、ありすを抱きしめた。
逡巡するありすは震えていた。まこともそれに便乗し、心臓が踊る。2人にもう、言葉はなかった。まことは、男らしく、ほっそりとした指でありすの顎を持ち上げ、儚げな桜色の唇に自分の唇を重ねた。寒い夜空の、冷たいキスだった。けれど、2人の間には寒さは感じられず、温もりだけがそこにはあった。』

どの視点から描くのかで、描写はかなり変わってきます。
なので、自分の書きやすいもので描いてゆくのがいいのかと思います。
さてー、次回はもう少し、エローい、描写を描いてゆきますね。

たまコライター プロフィール

藤村綾(ふじむらあや)
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元風俗嬢・風俗ライターの藤村綾です。現在はDTPオペレーターの仕事に従事しつつ、風俗媒体にてコラム・小説等を寄稿しております。ミリオン出版『俺の旅』風俗珍講座連載。愛知県在住。Twitter:@AyaIssue

たまコラムとは

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Comment

  1. 声が天井から降って来るって表現は素敵だなあ。

コメントはお気軽に^^

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