小説家のたまご

未来の小説家=小説家のたまごを応援するサイトです。

*

【たまコラム:はじめての官能表現】第4回:自分の身体の声を訊きこう。/藤村綾

   

※本コラムでは性的表現が含まれます。15歳未満の方や、不快に感じられる方は本コラムは読み飛ばしてください。

【たまコラム:はじめての官能表現】第4回:自分の身体の声を訊きこう。/藤村綾

-序章小説-

先刻まで、彼のぬくもりに溺れ、白い喉を突き出し、天井に向け咆哮の声をあげていたあたし。まだ、陰部にある余韻は、愛されたという確固たる証。けれど、彼はうちに帰り、きっと、今は奥さんの隣でスヤスヤと寝息をたてて、寝ているに違いない。彼に限らず、どうして男ってやつは、他の女を抱いたあとでも、いけしゃあしゃあと奥さんの隣で寝られるのだろう。もし、あたしと会った日に奥さんに『しよ』と、誘われたら、彼は奥さんをあたしと同じよう、あたしと同じ抱き方で抱くのだろうか。やましさもあり、惰性でもがんばって抱くのだろうか。今まで、そんなこと訊いたことは一度たりともない。もし、訊いたとしても、彼は必ずこういうだろう。
《よめさんとはしてないよ》と。同じ布団で寝ているのだ。セックスレスという単語が世に出回っているけれど、奥さんは彼を相変わらず愛しているのが、伺える。その証拠に彼がいつも見に纏っている衣類からは柔軟剤の匂いが漂い、きちんと畳まれてアイロンまでかけあるハンカチを見れば当然だろう。その衣類を洗うのは、奥さんで、脱がすのはあたし。滑稽だとも思ったりする。奥さんという立場は強い。彼を求めるのはあたりまえなのだ。そしてまた彼はそれを無下はできないはず。いや、無下にする理由などはないのだ。奥さんなのだから。
冷たいベッドの上で薄暗い常夜灯をぼんやりとみやりながら、ふと、思った。
彼のぬくもりはすっかりあたしの体内からなくなり、あたしの身体はますます冷たくなる。彼に抱かれることは、悦びの方が大きいけれど、後の寂寥感が半端ない。
スマホに手を伸ばす。検索の欄に、《女性専用動画》と打ち込む。
最近では、女性向きのアダルト動画が豊富にあり、あたしは、決まって彼とあったとき、動画を見ながら、ローターで自分を慰めている。彼に抱かれ満足をしているはずなのに、どうしてなのか。癖。癖とうい単語がピタリとあてはまる。あたりまえの行為。新作がアップされていたので、クリックする。音が漏れるといけないので、最小限にボリュームを落とす。映し出されたのは、2人の男性に下も上も躊躇なく舐められ、嵌められる動画だった。あたしは、ピンク色をした小さなローターを口に含み、それを濡らす。小さな画面の中で繰り広げられる、妖艶な画面をみやりながら、あたしは、そうっと、唾で湿らせた、ローターを割れ目に這わせた。布団の中でくぐもった無機質なモーター音がする。割れ目を割り、もう少し奥をなぞる。
(ああ、)声を出したい衝動に駆られるけれど、唇を噛んで我慢する。
スマホをベッドの脇に立てかけて、余った右手を自分の乳首に持ってゆく。乳首はだんだん芯を持ち、聳立とともに、割れ目からも、自然の潤滑油がしとどに溢れだす。あたしは、無機質な音を奏でるローターをぷくりと肥大した豆にあてがい、強く押し当てた。
「ああっ、あん」
声が漏れた。声は小さくこだまし、あたしの身体をより一層興奮状態にさせる。
足を伸ばし、乳首を甘く摘みながら、ローターは容赦なく、あたしの欲情を
掻き立てる。股のあわいからは、なまあたたかい、液体が流れ落ちてゆき、シーツを汚した。布団の中はあたしの蒸気した体温で熱くなり、淫靡な匂いが鼻梁をくすぐる。動画の女性は目をひん剥き、何度も絶頂に達している。あたしも、意識を集中させ、陰核をこねくり回し、快楽を手に入れた。もっとも敏感な部分がどくん、どくんと、心臓のように早鐘を打っている。
『イク』と、その部位だけが浮遊した感覚になる。くすぐったくて、瞬時、頭の中は真っ白になるけれど、終わってみると、なんだか陳腐なお遊びのようだ。
我に返ったあとの自分を嘲笑する。けれど、あたしにとってはひっそりと行う神聖な儀式なのだ。彼は知る由もない。
ローターをそうっと下着の中から取り出して、ハンカチで濡れた部分を拭い、そうっと、ベッドの上にある作り付けの引き出しにしまう。自分を慰める行為と、彼と交わる行為は全く別なものだけれど、ざらついた肌に纏うものを一気に払拭できる唯一無二な行為だとしたら。あたしは、濡れたままの太ももの愛液を指で拭い、そうっと、口の中におさめた。彼の味がほんのりとした気がした。
天井に目を向ける。常夜灯なのに、目が慣れてやけに明るく感じた、深夜2時。あたしは、いつの間にか、眠りに落ちてゆく。快楽に落ちたよう、ゆっくり、ゆっくり落ちてゆく。あ

 

男性はあたりまえにしますが、(自慰です)女性はどうなのでしょうか?
『しないよ』『やだ、そんなこと恥ずかしい!』きっと、口並揃えて、否定を全面的にするはず。女性は『自慰行為は恥ずかしい行為だ』と、どこか頭の中に刷り込まれているようで、張り切って、『オナニーしています』などという女性はそうそういません。しかし、あたしは、します。笑。自分のオナニーシーンを回想し、文章にするのって、かなり難しいです。けれど、自分のことなので、自分が一番熟知していますし、描けるはずです。きっと、描いている本人のことと思われてしまい、懸念されがちな、自慰描写。男性の自慰の場面は、女性のあたしにでも、容易に想像でき描けます。(多分何千本とヌイテます)しかし、女性の自慰描写はどうしても自分自信の体験でしか、描けないですね。
キューリを突っ込み?。や、擬似男性器を床に置き、腰をゆっくりと沈めた。
好きな人の指を思い出し、誰もいない真昼のリビングで素っ裸になり、指を割れ目に這わせ、上下に抽送させた。淫らな音が、広いリビングを淫靡な音色に変えてゆく……。【ピンポーン】え!やだ?誰? な、描写もありですね。
別に体験がなくても、描けることには、描けますが、体感してみたらもっと世界が変わり、生々しく描けるはず。自慰自体はひっそりと行う行為。けれど文章に変換すると、臨場感がその文章を盛り上げてくれるはずです。
官能表現はなにも、男女が交わる行為だけではない。自慰行為も立派な官能表現だと思います。ぜひ、今夜から自慰をしてくださいね。ふふふ。

たまコライター プロフィール

藤村綾(ふじむらあや)
tamako_aya_400
元風俗嬢・風俗ライターの藤村綾です。現在はDTPオペレーターの仕事に従事しつつ、風俗媒体にてコラム・小説等を寄稿しております。ミリオン出版『俺の旅』風俗珍講座連載。愛知県在住。Twitter:@AyaIssue

たまコラムとは

小説家のたまごが気になるテーマごとに、担当たまコライターが数回から十数回程度のコラムを、連載形式でお届けします。

「はじめての官能表現」のまとめ読みはこちらから。

また、小説家のたまごでは常時たまコライターを募集しています。詳細はこちらをご覧ください。

 - はじめての官能表現

ad pc

ad pc

コメントはお気軽に^^

  関連記事

【たまコラム:はじめての官能表現】第6回:男と女の別れを官能的に書く/藤村綾

※本コラムでは性的表現が含まれます。15歳未満の方や、不快に感じられる方は本コラ …

【たまコラム:はじめての官能表現】第2回:恥ずかしがらないで。想像力で描く/藤村綾

※本コラムでは性的表現が含まれます。15歳未満の方や、不快に感じられる方は本コラ …

【たまコラム:はじめての官能表現】第3回:エロ動画や、エロビデオを見てみましょう。ふふ/藤村綾

※本コラムでは性的表現が含まれます。15歳未満の方や、不快に感じられる方は本コラ …

【たまコラム:はじめての官能表現】第5回:陵辱系を綺麗に描きましょう/藤村綾

※本コラムでは性的表現が含まれます。15歳未満の方や、不快に感じられる方は本コラ …

no image
【たまコラム:はじめての官能表現】第0回:はじめに/藤村綾

はじめての官能表現 今回スタートするコラムのテーマは『はじめての官能表現』です。 …

【たまコラム:はじめての官能表現】第1回:感じたことを思いのまま/藤村綾

※本コラムでは性的表現が含まれます。15歳未満の方や、不快に感じられる方は本コラ …