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【たまコラム:はじめての官能表現】第5回:陵辱系を綺麗に描きましょう/藤村綾

      2016/06/14

※本コラムでは性的表現が含まれます。15歳未満の方や、不快に感じられる方は本コラムは読み飛ばしてください。

【たまコラム:はじめての官能表現】第5回:陵辱系を綺麗に描きましょう/藤村綾

-序章小説-

「一泊で旅行に行かない?」
 彼がとうとつに、さらりとゆってきた。
「え?」
 あたしは、え? え? と目を丸くさせ2回ほど彼の方に向き直り、確認をした。旅行などゆけるわけがない。なにせ、普通にあうのにも、ひどく苦労を要するのに。
 旅行だなんて。嘘?
「現場が金沢にあるんだよ。だから、一緒に来る」
 来る、が語尾上がりになっている。ああ、ここでやっと、質問の意図が読めた。
 現場が遠方なため、一緒に行っても構わない。そういうことか。
「金沢駅を見たいの。ついでに。北陸新幹線も通って観光地になっただろ」
 昂揚した口調で付け足した。
 彼は建築家だ。どこに行っても建物を見て、壁を叩く癖がある。
「うん、あたしも金沢行って見たかった!」
 子どものようなはしゃぎようで素直に喜んだ。そんな態度を目の当たりにした彼もまた、目を細め、コロコロと笑う。初夏の始まる空気が緩やかな日。
 あたしたちは、行為を終え、ベッドに横たわり、喋っている。たくさんの嘘を積み重ね、たくさんの人を騙し、求めあっている。あたしは、嬉しさのあまり、薄っすらと汗をかいている彼の背中に手を回し、抱きしめた。
 現調(現場調査)と、いう名目の(不倫旅行)は、難なく決行され、当日はわざわざ、名古屋駅で待ち合わせをした。最近ではホテルであって、ホテルで別れている。あ、何かの歌であったね。そのフレーズ。などと、くだけた感じで言葉にしたけれど、ひっそりと会うことに対し、いつも自分との葛藤があった。
 駅裏で待ち合わせをした。久しぶりに助手席に堂々と乗る。変装もしないで。白昼の高速道路の景色はいつもり、鮮明に映し出された。
 金沢に到着し、予約してあったホテルにチエックインをした。駅前にある、天然温泉のあるビジネスホテル。
「お風呂入ったら、駅行ってみよ」
 彼はゆいながら、部屋に入り、あー、疲れた、と付け足し首を左右に折りながら、欠伸をした。
 急須にお茶をいれながら、あたしも、運転ができたらよかったのに。ごめんなさい。俯き謝る。運転免許を持っていないあたし。不甲斐なくて、涙が出てきた。
「……、あほか、泣くことない」
 彼が柔和な口調でなだめるも、涙の理由はもう一つ。見知らぬ所に彼と2人だという現実に涙したのだ。そうっと、彼があたしの頭を撫ぜ、そうっと胸に引きよせる。
 あ、ま、待って。そう、ゆおうと思ったせつな、あたしの口は彼の唇で塞がれ、言葉を発することを奪われた。夕日が彼の背中に直撃している。彼の輪郭ははっきりと把握出来るけれど、顔は真っ黒でいまいちうまく、把握できない。
 唇を割り、舌先があたし口の中を這い回る。
「あ、うう、」
 淫らな音。静寂な部屋に似つかない粘りを帯びた音がいやに、淫靡に響き渡る。薄く目を開ける。彼の白目があたしをじっと見つめていた。
 今日の彼はいやに性急だった。
 ブラウスのボタンを上から器用に、外してゆく。
 やだ、あたしは、シャワーを浴びていない身体を恥じ、抵抗を試みた。けれど、彼は、ダメだ! いつもにもない声音であたしの羞恥心を否定した。
 身体の力が抜け、いつの間にか、ブラウスもジーンズもパンティーも脱がされていた。
 え? 彼があたしの両腕を持ち上げ、傍に置いてある、あたしのブラウスで腕を縛った。初めから、シワのあるブラウスだ。くちゃくちゃにされても問題はない。
 なんで? そんな顔をしていたのだろうか。彼は腕の自由を奪われたあたしに向かって、口を開いた。
「ほんとうは、こうされたいんだろ?」
 上から降りてくる声にあたしは、ぎくりとした。首を横に振りながら、被りを振ったけれど、遠く離れた異国の場所も相まってか、彼の声も豹変していた。
「ほら」
 彼はズボンとトランクスを脱ぎ、怒張をあたしの顔の前に突きつけた。
「咥えろ」
 あたしは、ゆわれるまま、鯉の口のような大口をあけ、いきり勃つ怒張を頬張った。彼の匂いを即物的に感じ、嫌悪感などは全く皆無で、率先して怒張を喉の奥までおさめた。
 「あ、」
 彼の甘い声音がする。座っているあたしの腕を持ったまま、喉がひりつくほど、何度も抽送をくりかえした。時折、おぇ、と、なり、涙と鼻水と涎を流す。
していることとは、裏腹にひどく興奮してした。彼ではない、あたしが、だ。
 あたしは、苛められるのが好きなのだ。けれど、この行為が許されるのは、愛しているものだけ。愛しているからひどく、ぞんざいに扱われたいのだ。
 彼は、すぽっと、いきり勃つものを抜いて、あたしの腕を降ろし、畳の上にコロンと転がした。かろうじて装着していたブラジャーがずれ、ポロリと、桜色の乳首が山の上に鎮座している。乳首がブラジャーにあたり、尖った乳首がさらに、聳立する。
「挿れる」
 短くゆい、あたしの、中にそうっと入ってきた。あたしは、ただ、簡易な拘束をされただけなのに、ひどく濡れていた。
 「すごいヌルヌルじゃん」
 彼は口の端をすこしあげ、いやらしい、彼が揶揄をしつつ小さく囁いた。尖った乳首を思い切り摘む。
 ああ、あんっ、ああ、欲情の熱い声がポロポロと溢れ、腰を浮かす淫らな痴態が、壁に影となり映し出される。バックにされ、お尻をあげながら、喚きちらすあたしと、腰を持ちながら、あたしの中を出入りする彼の影は、獣だった。
 はぁ、はぁ、と、切なげな声音になり、動きが静止した。彼はひっそりと、あたしの中で果てた。死んだよう、あたしの背中に崩れるように倒れ、そうっと、あたしの首を噛んだ。あ、あたしは、また、声をあげた。キュと、子宮が締まり、彼もまた、あ、と、短く声をあげた。
 日は沈み、部屋は外の街頭の灯りが細く入ってくるだけだった。
 金沢駅……、小さく声にする。彼はそうっとあたしの頭をなぜた。

 

ー陵辱ー
と聞くと、SMや、近親相姦・監禁・拷問・緊縛。など、頭に浮かぶ単語がいくつもあります。陵辱ものに特化している作家さんもたくさんいらっしゃいます。
『フランス書院』さんから出ている本はほとんど、いや、全てとゆっていいいほど、陵辱系・羞恥系のものばかりです。官能表現はなにも、セックスだけではありません。縛ったり、目隠しをしたり、言葉で罵倒したり、と、別の表現方法もあります。
※ ガウンを脱がされ、目の前の男が僥倖の眼差しで、あたしの身体を舐めるよう上からしたまで凝視ししつつ、狼のように目をぎらつかせ、肉の乗ったたわわな胸に顔を埋めてきた。

これは、なんのひねりもない、陵辱・羞恥系。
※ ガウンを脱がされ、腰に巻いてある紐をするりと抜き取り、目の前の男は舌舐めずりをしながら、両手をぐっとあわせ、手首を縛った。手の自由を奪われた、あたしは、肉のたっぷり乗った、たわわな双乳を揉みしだかれ、乳首を甘噛みされた。ああっ、あまりの痛さに、声が出るも、手が動かせないので、人形のように乳首を弄ばれた。

と、ゆうように、たった一本の紐が出てきただけで、表現がグッと変わってきます。紐じゃなくてもういい。SMの専門道具でなくてもいい。生活の中にひそんでいるなにか。それを取り入れることにより、描写が盛り上がります。
ネクタイや、サラダ油。きゅうりや、なす。笑
陵辱物って女性はたまらなく好きなのです。根幹は受け身。嗜虐的な行為を好む生き物。それを文章におこすのは、案外至難ではない。想像の中で犯し、犯され、うまい具合に文章に起こす。

小説の中でしたら、どうぞ。何人でも犯してください。犯されてみてください。夢をみてください。小説を書く上でこんな愉快なことはありません。とらわれず、素直に短編から書くことをお勧めいたします。陵辱系の小説を読むのもお勧め。あたしがお勧めするのは、『フランス書院』さんから出ている、
『鬼木鉄二さん』です。恥辱系を得意とする作家さん。あたしは、鬼木先生の本を読んで感嘆しました。ぜひお手に取ってみてください。

たまコライター プロフィール

藤村綾(ふじむらあや)
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元風俗嬢・風俗ライターの藤村綾です。現在はDTPオペレーターの仕事に従事しつつ、風俗媒体にてコラム・小説等を寄稿しております。ミリオン出版『俺の旅』風俗珍講座連載。愛知県在住。Twitter:@AyaIssue

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Comment

  1. 匿名 より:

    「行く」が「ゆく」、「言う」が「ゆう」

    肝心の中身の前に最初の一文から目が滑って読めませんでした。
    わざとなのか、それとも技巧の問題なのか……

コメントはお気軽に^^

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