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たまごライター紹介 徒川ニナ

      2015/03/23

今日も、たまごライターをご紹介します。

たまごライター 徒川ニナ

今日ご紹介するたまごライターは、徒川ニナさんです。
twitter:@adagawa_n

以前インタビューでもご紹介しましたが、コラム執筆経験者ということもあり、今回の課題でもその実力を発揮していただきました。出だしと締めくくりの一文はお上手の一言。みなさんもぜひ参考にしてみてください。

彩葉さんと同じく、募集開始から2,3時間で投稿いただいたスピード感も、抜け目なく、といったところでしょうか。

私が思う徒川さんの文章の魅力は、硬すぎず砕けすぎずの、絶妙なバランスだと思っています。真面目な文体をベースに、所々に入る現代言葉。例えば応募作品の中では、すらすらと読ませておいて「キタコレ」「無理ゲー」など、普通のコラムではあまり使われないフックの効いた文字を忍ばせる。

これはおそらく多すぎてもダメです。わずかに砕けることで、読む人に寄り添い、頭のなかに心地よい刺激を与えてくれる。記憶に残る文章になっているのだと思います。

どんなテーマも美味しく料理してくれる、徒川ニナさんの今後の活躍にご期待ください。

応募作品『貴方の卵が孵るとき』

「小説家のたまご」を自称するひとにとって、その言葉は謙遜と僅かな自尊心でできている。
『私には夢がある』
『それに向かって努力している』
『でもまだ殻を割ることができない、無限の可能性を秘めた“ひよっ子”』
たまごはいつでも夢見ている。くちばしで真っ白い殻を突き破って、ピヨピヨと産声をあげるその時を。
では、「たまご」が「ひよこ」になる為には何が必要だろう?
例えばその問いに、ある「たまご」がこう答えたとする。
「『たまご』では無くなる、ということは、プロの小説家としてデビューすることだ」
それに私は問い返す。
「じゃあ、何をもって『デビュー』っていうの?」

電子書籍が普及した現在、紙媒体ではなく、オンライン上でデビューをするひとも増えてきた。紙媒体の本を出版していなくては、『ひよこ』とは言えないのだろうか。この辺りに関しては、既に多くの議論がかわされていることだろう。今この場で結論を出すことはできないが、私は電子書籍出版経験のある「たまご」を何人も知っている。それが現実だ。
そして何らかの賞を受賞して、紙媒体の本を出版した実績がありながら、現在「たまご」として活動をしている方も多数存在する。十人いれば十人分の事情があるし、簡単に一括りにすることなんてできないけれど、これだけは断言できる筈だ。
『デビューしたからといって、簡単にひよこや、ましてや鶏になんてなれるもんじゃない』

ここで改めて問おう。
「『たまご』が『ひよこ』になるには何が必要か」
私の答えは単純明快。それは『読者』だ。
オンラインでもオフラインでも、自費出版でも一般の書籍でも、更にはそこが個人サイトであろうと小説投稿サイトのマイページであろうとも。
私たちはいつだって、この鋭く尖ったくちばしを使い、自分の殻を破って飛び出すことができるのだ。

では、『読者』を掴むには何が必要か。
ストーリーの構成力、筆力、キャラの魅力に広報活動。
あげていくときりがない。しかし、これら全てを持ち合わせていても、なかなか読者がつかずに嘆いているひともいる。逆に、何かが欠けていたって有名になるひとだっているのだから、そこに「こうすればいい」なんて確かなマニュアルは存在しないのだ。

「何それ、無理ゲーじゃん」
そう言うひともいるだろう。しかし気付いて欲しい。その発言こそが、自分のくちばしを丸くしている。殻をつつくことを諦めている。
必要なのは「がむしゃらであり続けること」だ。よくも悪くも人目をひき、みっともなく足掻く。そうすることによって、応援してくれるひとは一定数でてくる筈だ。その中には勿論、かけがえの無い『たまご仲間』もいる。

私はこれからもがむしゃらに書くし、みっともなく足掻いていこうと思う。
くちばしを研ぐことは忘れない。そして、未知なる世界をノックし続けていくことも。

たまごライターからのメッセージ

初めましての方は初めまして。そうでない方はこんにちは。徒川ニナ(あだがわにな)と申します。
たまごライター発表の記事を読んだのは、サイト更新間もない深夜でした。ドキドキしながら画面をスクロールして、最後に自分の名前を見つけた時の感情は如何とも形容しがたいものがあります。
最初に感じたのは「よっしゃ! キタコレ!」というほとばしる喜び。しかし次の瞬間には「自分に務まるのだろうか」という一抹の不安がよぎります。
でも、そんな調子では選んで下さった方に失礼ですね。私は私なりに、今の私の精一杯で色んなものをお届けできたらと思います。どうぞ宜しくお願いします。
「徒川ニナとはどんな奴だ?」と疑問に思われた方は、以前こちらのサイトに掲載して頂いたインタビューを見て貰うと色んなことがわかるかと思います。
今回は折角スペースを頂けたので、以前エッセイでお話したこともある、徒川の文章の「絶対原則」についてお話しますね。これは私の書く小説やコラム、ブログやTwitterなどいかなる文章においても破られることの無いポリシーみたいなものです。
「生きることへの絶対肯定」。いついかなる時も、とは言えませんが、まぁ大体、私はこの原則に基づいて動いています。
「死」をモチーフにする文学は多々あれど、読んだら死にたくなるような文章は、私、書きたくないんです。きっと小説やエッセイの中で誰かの死を扱うこともあるでしょう。自分の筆で登場人物を殺すこともあると思います。でも、それがどんな物語でも、読んで下さったひとには、最終的にスカッと気持ち良くなって頂きたいのです。
この場合の「スカッと」は、何もハリウッド的大スペクタクルの末に訪れるものではありません。例えば日の沈みかけた夕刻に自転車で風を切って走っていたらシャッフル再生していたipodから一番お気に入りの曲が流れてきた時のちょっとした快感、みたいな、そういう、ひどく日常的でありふれたものです。
この考えのもと、私はこれからも小説や、エッセイや、「小説家のたまご」の為の記事を書いていくでしょう。もしかしたら「綺麗ごとばかり言いやがって」と不快になる方もいるかもしれません。
でももし、そういうポジティブに歪んだ色眼鏡越しの風景を、ちょっと覗いてみてもいいかな、と思って頂けた方がいるのなら、きっとまたお会いする機会もあるでしょう。その時は、どうぞ宜しくお願いします。

 - たまごライター

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Comment

  1. 徒川さんのようなオンライン小説家、Web作家を開拓者だと思ってます。
    約束されない曖昧なエア空間で模索工夫する書き手さんたち
    読者の心を掴むこと紙媒体になることそれなりの道のりがあるのだと……
    なので「生きることへの絶対肯定」とてもよい信念だと思いました

  2. 徒川ニナ より:

    りょうこさん、コメント有難うございます。お返事が遅くなって申し訳ないです。

    確かに、険しい道のりをえっさほいさとのりこえながら、自分なりに精一杯小説をお届けしている感があるのですが、私は同じように、りょうこさんのような読み専さんも「開拓者」だと思います。

    あまたの作品の中から私達の作品を見つけ出して頂けたのは、地道な開墾のおかげであるのではないかな、と。

    「生きることへの絶対肯定」、褒めて頂いて有難うございます。
    一人でも多くの人にこの想いを届けられるよう、今後も精一杯邁進したいと思います!

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