小説家のたまご

未来の小説家=小説家のたまごを応援するサイトです。

*

【ストレス解消法】隠遁詩人に倣う/リリー

   

【ストレス解消法】隠遁詩人に倣う/リリー

渡る世間に鬼はない、なんて、昔の人はどういうつもりで言ったのだろうか。実際には世間には、鬼とまではいかなくても、つきあいにくい人がたくさんいる。また、この社会では、人間関係に限らず、たかがアルバイトに重い責任を押し付ける上司や大量の課題など、ストレスの種はそこら中にあふれている。

ストレスを溜めこむな、と人は言うが、社会という集団の中で生きる以上、それらと無縁には過ごせないのである。
だから私は、定期的に「エセ隠遁生活」をしている。もちろん、本来の意味の隠遁とはかなり違ったものである。今の世の中で、すっぱりと俗世間との関係を断ち切ってしまえば、生きていけなくなってしまうだろう。家に籠って、世間と全く関わらない一日を過ごす、それが私のエセ隠遁生活だ。

まず、朝起きて一番にすることは、スマホの電源を切ることだ。これで、狭い部屋の中にいる自分と世間とをつなげるものが一つ減る。それから、テレビやパソコンなど、普段ついつい時間つぶしに見てしまうメディア媒体をベッドの下に押し込んでしまう。こうすれば、ほぼ完全に、自分の世界に閉じこもることが出来る。あとは、宅配便や集金などが訪ねてこないことを祈り、適当な本と飲み物とを用意して、ベッドにねそべるのだ。そうしてだらだらと本を読み、外が暗くなる頃から酒を飲み始め、そのまま一歩も外に出ることなく寝てしまう。

こうして誰とも関わらない生活をすれば、おおかたのストレスや悩み事はどうでもよくなるのだ。
私がこのストレス解消法を編み出したのは、漢詩の勉強をしている最中であった。古代中国、東晋の時代に生きた隠遁詩人、陶淵明の作を読んでいる時に思いついたのである。

彼は俗世間から逃れ、田園に身を置き、そこでの気ままな生活を詩にした。作品はどれものびのびとした喜び、自由さが横溢しており、読んでいるだけでも奔放不羈な気持ちになれる。高校の教科書に載っている『桃花源記』という作品からも、彼の理想とした隠遁生活が読み取れる。

私は彼に憧れ、しかし全く同じことはできないと悩み、その末にこの方法を考え付いたのだ。

社会問題が横行する世の中から、たまにはこうして抜け出してみるのも良いだろう。ほんの一時的なものではあるが、気分が軽くなることは保証する。

あとがき

こんにちは、リリーです。今回は初めてのコラム執筆ということで、最大限に自分らしさを出そうと思い、専攻分野でありずっと大好きだった詩人、陶淵明に関する内容を書かせていただきました。これは実際に私が実践しているものです。なかなかに気楽になれるので、ぜひ試してみてください。

たまごライター プロフィール

たまごライター:リリー
writer_riri_100大学二年生で、漢詩を中心に文学を勉強しています。好きな作家は重松清と谷崎潤一郎、好きな詩人は陶淵明と李賀です。将来は作家でなくても、文学を楽しみ、それにいつでも触れていられる立場にいたいと思っております。文章を書くことは、一生やめません。そうしておばあちゃんになった時にでも、世間から評価されれば、というスタンスです。よろしくお願いします。

 - ストレス解消法

ad pc

ad pc

コメントはお気軽に^^

  関連記事

【ストレス解消法】書くことがストレスになったとき/黒田なぎさ

【ストレス解消法】書くことがストレスになったとき/黒田なぎさ (杉本さおり : …

no image
【ストレス解消法】わたしらしく、人らしく/笠原小百合

【ストレス解消法】わたしらしく、人らしく/笠原小百合 はじめて頂いたテーマが「ス …

【ストレス解消法】電車に乗って、お散歩へ/彩葉

【ストレス解消法】電車に乗って、お散歩へ/彩葉 私のストレス解消法。それは、散歩 …