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【素敵なクリスマスの過ごし方】個人的な理想に過ぎないけれど/彩葉

      2014/12/25

個人的な理想に過ぎないけれど/彩葉

シュトレンという菓子パンを知っているだろうか。

ドイツ発祥とされるパンで、生地にはドライフルーツやナッツが練り込まれており、表面には砂糖がまぶされている。

クリスマスに食べられるシュトレンはクリスマスシュトレンと呼ばれ、ドイツの人々はこれを薄くスライスして毎日食べながらクリスマスの日を待ち望むとのこと。

まぶされた砂糖は雪のよう。練り込まれたドライフルーツは日が経つにつれ……すなわちクリスマスの日が近づくにつれて味が出てくる。なかなか趣深い菓子パンだ、と私は思う。

他にも、その国にはアドヴェント・カレンダーというものが存在する。これは日めくりカレンダーのようなもので、やはりクリスマスの日を待ち望むために作られたそう。

ドイツに限らないが、海外のクリスマスはその日一日だけのお祭りではない。冬が始まると同時に街は騒がしくなり、今か今かと皆でその日を待ち望む。

町には賑やかな飾りがつけられ、クリスマスマーケットが開かれる。それぞれの家が思い思いの飾りつけをし、大人も子どもも年齢を問わず待ち望む。

クリスマスイブになればもう前日、前々日の日ではないのだろう。家族、恋人の垣根を超えたお祭り騒ぎ。好きな物を食べ、子どもたちはサンタクロースが持ってくるプレゼントを待ち望みながら夢の中へ。

そしてやってくる厳かな夜。雪が積もり白に包まれた家々。静かに響く協会の鐘……

と、後半は私の想像にすぎないが、海外のクリスマスの盛り上がりというのは日本の比ではない。当然と言えば当然なのだが……私も一度でいいからこの本場のクリスマスを味わってみたいものである。

赤い屋根のレンガ造りの家。

窓からもれるオレンジ色のランプの光。

本物のもみの木で作られたクリスマスツリー。

それに付けられたオーダーメイドの飾りたち。

広場に集まる人々。

同じ気持ちで見つめる白い雪……

なんと素敵なクリスマスだろう!

なんと素敵なクリスマスの過ごし方だろう!

一度でいいからそんなクリスマスを体験してみたい。

しかしながら、高所恐怖症の私が飛行機に乗るのは夢のまた夢。そして、そう何日間も滞在するための金もない。

つまり、この海外のクリスマスは私の単なる理想に過ぎない。

決して叶うことはない理想。けれど思い描くたび、どこかメルヘンチックな世界に入り込めたような気がする。そしてそれが現実で起きていることだと知るとよりいっそうわくわくできるのだ。

ただ、海外のクリスマスに比べて日本のクリスマスが陳腐だという訳ではない。

私は日本のクリスマスも好きだ。

建物や街路樹に巻かれたイルミネーション。駅やスーパーで見かけるクリスマスツリー。街中やデパートではクリスマスソングが流れる……しかしそれは12月25日までの話。

クリスマスの日が終わると、日本は手のひらを返したように途端に街の様子を変える。

クリスマスツリーは門松に。リースはしめ縄に。クリスマスソングは和を思わせる厳かな音楽へ。

一晩にして変わる。

それはさながら魔法のよう。

私は毎年その様子が楽しくてならない。

信じる神を定める様子もない日本人の精神が好きでたまらない。

海外ではクリスマスと年明けは同じお祭り。クリスマスの盛り上がりの中で新年を迎える。けれど日本は違う。

それぞれは別の行事として存在する。これはこれで一つの国の特徴。これはこれで趣深い。

日本のクリスマスの特徴は、この一晩での様変わりにある、と私は思っている。

理想のクリスマスはほど遠いけれど、日本のクリスマスだって捨てたものではない。

さあ、もうすぐクリスマスだ。

素敵なクリスマスをお過ごしください。

たまごライター プロフィール

たまごライター:彩葉
writer_iroha_100文字を書くことが生きがいの、未熟で未熟な小説家のたまご。新しいことにどんどん挑戦したい。依頼はいつでも受付中。現在は主に「pixiv」と「小説家になろう」にて小説を書いております。Twitter:@kotonoha_hutaba

 - 素敵なクリスマスの過ごし方

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